優しく微笑み濃紺とグレーの振袖に身を包んだ女性の絵は、6歳で東日本大震災の犠牲となった宮城県石巻市の佐藤愛梨ちゃんが20歳を迎えたことをイメージして描かれました。震災からまもなく14年を前に、石巻市では愛梨ちゃんらの振袖姿を描いたパネルの展示が始まりました。

 石巻市の震災伝承施設で7日に披露された2人の振り袖姿のパネルは、震災当時6歳で津波の犠牲となった佐藤愛梨ちゃんと西城春音ちゃんが20歳になった姿を想像して描かれました。

 愛知県田原市出身の画家、小林憲明さんが描き1月の成人式の日に2人の母親に贈った絵をパネルにしました。

 石巻市の私立幼稚園に通っていた佐藤愛梨ちゃんは、幼稚園の送迎バスで帰宅する途中に津波に巻き込まれて犠牲になりました。

 母親の美香さんは、送迎バスでともに亡くなった園児の慰霊と鎮魂のため、6年前にバスが見つかった場所の近くに慰霊碑を建てました。

 佐藤美香さん「子どもたちの命が一番に守られる社会になってほしいと強く願います」 愛梨ちゃんが亡くなった場所に咲いていた花を各地に植栽する取り組みや、防災教育に役立ててもらおうと大学生らと絵本や紙芝居を製作するなど、様々な活動を展開してきました。

 佐藤美香さん「大きくなった成長した姿がなかなか思い描けなかったが、画家の小林さんの力を借りて成長した娘の姿に出会うことができてうれしかった」

 振り袖姿のパネルは年内いっぱい、石巻市の津波伝承施設MEET門脇で展示されます。美香さんの成人を祝うメッセージも添えられています。