桜が見頃を迎えるなか、各地で老齢化の問題が見られるようになりました。現状と対策を専門家に聞きました。

■桜の「老齢化」各地で…対策は

 東京の花見スポットではこの週末、色とりどりの桜が続々と見頃を迎えています。

 さくらまつりが開催されている神代植物公園です。早咲きの桜からソメイヨシノまで多くの品種を楽しめます。

花見客 「うわーきれいだ」

 人気の花見スポット「六義園」ではシダレザクラが咲き誇り、人々を魅了しています。

アメリカから来た人 「ゴージャス」

 ただ、桜の名所で異変も起きています。三重県四日市市で毎年10万人が訪れていた桜まつりが今年は中止に。原因はソメイヨシノの老齢化です。

 樹木医が診断した結果、倒木の危険があると判断されました。

海蔵川桜まつり実行委員会 羽場誓司会長 「木が落ちてきたり枝が落ちてきたり、木そのものが倒れる可能性もないとは言えないので、遠くから温かい目で見ていただければありがたい」

 実際、桜の倒木でけが人が出る事態が相次いでいます。京都では去年、樹齢100年以上とみられる桜が倒れ、下敷きになった男性が重傷を負いました。

 桜の寿命は80年ほどといわれるなか、老齢化の問題は各地で…。

 東京の目黒川沿いでは桜の管理のため、定期的に大規模な剪定(せんてい)作業が行われています。目黒区によりますと、樹齢70年ほどの木が多いといいます。

 10年前の樹木診断では782本の桜のうち、9割が「健全か、健全に近い」という判定だったのが、直近の診断ではおよそ2割に減少。「注意すべき被害が見られる」がおよそ5割、「著しい被害が見られる」がおよそ3割に及んでいます。

 老齢化に加え、猛暑が悪影響を与えているという指摘も。

樹木医 和田博幸さん 「例年暑い夏が訪れていて、桜にとっては良いことではない。普通だと光合成をしながら蒸散作用で体自体を冷やすが、特に30℃を超える気温になるとその作用をやめてしまう。成長に悪影響を及ぼすことがある。そこで人間が手をかけて弱った枝を切り詰める。根が張りきった状況で肥料をあげて、もう一度再生させることが必要」