スペイン全土で起きた大規模停電では鉄道が運休し、マドリードの駅では大勢の人が駅の構内で一夜を過ごしています。

 (醍醐穣記者報告)  私はマドリードの鉄道の玄関口、アトーチャ駅にいます。

 ホームの入り口や改札口には規制線が引かれていて、中に入れないようになっています。

 駅の構内には足止めされた利用客数百人が、配布された毛布にくるまって一夜を過ごしています。毛布が足らずに段ボールに横たわっている人もいます。

アルゼンチンからの観光客 「10~11時間、水も食料もない状態で閉じ込められた」

 また、マドリード空港では多くのフライトにキャンセルや遅れが出ていて、カウンターには長蛇の列ができていました。

 列に並んでいた日本人観光客の方に話を聞いたところ、「乗り換え便がキャンセルになり振り替えを希望しているが、ここまで3時間待った。あと何時間待つのだろう」と疲れた表情を浮かべていました。

 スペインの電力会社によりますと、日本時間29日11時時点で87%以上が復旧したということです。

 鉄道も朝から運行を再開する予定ですが、まだ立ち往生している列車もあり、夜を徹した復旧作業が続けられています。