宮城県気仙沼市の震災伝承施設は、新型コロナの影響で来館者が大幅に減っていますが、一方で修学旅行などで訪れる学校の数は増えています。
気仙沼市の震災遺構伝承館は、オープン直後の2019年度には約8万人が訪れましたが、翌2020年度は約3万2000人、そして2021年度は約4万1000人と、新型コロナの影響で来館者は大幅に減少しました。
その一方で、修学旅行など学校関係の来館は2019年度は94件だったものが、2020年度は112件、2021年度は162件と右肩上がりに増えていて、2022年度も5月末までに48件となる見込みです。
この日も、青森県八戸市の中学生が修学旅行で訪れていました。感染者の多い首都圏を避け、訪問先に被災地を選んだといいます。
八戸市立湊中学校野田明広校長「東京の方はコロナで無理だろうということで、同じ海のそばの学校で、いつどうなるか分からないということで危機管理も含めて、そういうことを勉強させたいとここを選びました」
伝承館では、修学旅行の目的として防災教育が見直されているのではないかと話しています。
気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館芳賀一郎館長「東北のみならず日本中いつどこで(巨大地震が)起きてもおかしくないという危機に直面していますので、防災教育に力を入れているのかなと思います」
伝承館では、今後も積極的に修学旅行を受け入れ、震災の記憶や教訓を伝えていきたいと話しています。