生鮮カツオの水揚げ25年連続日本一の宮城県気仙沼漁港では、好調が続いていたカツオの水揚げが一転して不振となり価格が高騰しています。
気仙沼漁港で6月1日から水揚げが始まった一本釣り船のカツオ。当初は連日100トンを超える豊漁に恵まれていましたが、1週間ほど前から急激に水揚げ量が減少し、漁師や関係者から困惑の声が上がっています。
第81由丸守山佳洋船頭「群れがいないんですよ。三陸沖に銚子沖とかその辺が漁場になっているんですけど、なかなか北に上ってこない感じですね」
6月末までの気仙沼漁港のカツオの水揚げは、一本釣り船とまき網船を合わせて2711トンと前年の同じ時期の半分以下にとどまっています。
特に6月25日以降は、一本釣り船の水揚げが合計20トンから60トンと100トンに満たない日が続いていて、6月初めには1キロあたり平均250円〜350円だった取引価格は700円ほどにまで上昇しています。
豊漁だったカツオが急に取れなくなった理由について、専門家はこれまで取れていた大型のカツオが産卵のため暖かい所に移動しているためと分析しています。
水産資源研究所青木良徳さん「北の方は水温が冷たいので北には行かず、比較的南の方にいるということになります。ですので三陸沖の漁場でそういった個体が見られないというのは、カツオの生態の面から説明できるかと思います」
更に、本来この時期に三陸沖で取れるサイズのカツオ自体も少ないといいます。
水産資源研究所青木良徳さん「これまで伊豆諸島の方から上がってくる小型(魚)の群れを見ているんですけど、例年に比べ量は少ないので三陸沖で取れるそういった群れは例年に比べて少なくなる見込みです」