記録的な猛暑の余波が、宮城県の旬の農作物に影響を与えています。

 石巻市では、震災後復興のシンボルとして特産化を進めているオリーブが収穫を迎えました。

 オリーブは沿岸部4つの地区で栽培されていて、このうちオリーブの木が約400本ある河北地区の畑では地元の農業法人のスタッフらが手作業で摘んでいきました。

 実は熟す前の硬く締まった鮮やかな緑色をしていて、最高品質のエキストラバージンオイルにするため、搾油に適したものだけを選別して収穫します。

 猛暑の影響で気温が高く雨も少なかったため生育が良く、前年より10日ほど早い収穫となりました。収穫量もこれまでで最も多い1200キロ以上と、前年の1.7倍を見込んでいます。

 農業法人宮城リスタ大槻幹夫会長「例えばカルパッチョとかお刺身とか、あるいはアイスクリームとか。何にしたっておいしいよ」

 収穫されたオリーブは、石巻市の加工施設で搾油し地元のイベントなどで販売されます。

 記録的な猛暑は、秋の味覚の王様にも影響を与えています。

 JA新みやぎ気仙沼営業センター加藤正勝次長「前年ですと初めて店頭に並んだのが9月の中旬だったので、約1カ月近く遅れていると思います」

 気仙沼市の農産物直売所では例年、9月中旬になると1日当たり500グラムほどのマツタケが入荷しますが、1カ月遅れて9日から店頭に並び始めました。

 買い物客「あまり縁がないので考えたことがなかったけど、遅かったですよね」

 気仙沼地方振興事務所によると、マツタケに限らず天然のキノコがほとんど採れない異常事態だと言います。

 気仙沼地方振興事務所林業振興部佐藤鉄也技術主幹「例年採れているキノコも採れていない。マツタケも採れていない状況。気温が高ければ地表面も高くなるので、結局温度。刺激が与えられずなかなか成長しづらい状況にあった」

 マツタケは、地中の温度が19℃以下になり適度な降水量があると発生しやすくなるということで、気仙沼地方振興事務所では今後の秋の深まりに期待したいとしています。