宮城県登米市で、寒さが本格化する冬に旬を迎えるワカサギが不漁となっています。専門家は、猛暑が影響しているとみています。

 登米市迫町の阿部正一さんは、毎年12月から3月までの間に定置網を使って長沼でワカサギ漁を行っています。

 12月中旬から漁が始まりましたが、漁ができたのはわずか10日ほどだと言います。 阿部正一さん「ゼロに等しいですね、普通ですといっぱい入るのですが」

 阿部さんによりますと、前年8月に長沼から水田に注ぐ水路でワカサギの稚魚が大量死しているのが見つかっていたということです。専門家は、酸欠が原因ではないかと分析しています。

 伊豆沼・内沼環境保全財団藤本泰文主任研究員「夏に水温が高く水の中の酸素が減ってしまったり、(ワカサギの)体温が上がれば魚の酸素の必要量が増えたりしますので、酸欠になりやすかった可能性が考えられます」 夏に雨が少なかった影響で、長沼の水位は例年より1メートルほど低い状況が続いています。水位の低下による酸素不足も不漁に影響していると考えられていて、阿部さんはこの状況が続けば今シーズンの漁は諦めざるを得ないと話します。

 阿部正一さん「寒くなってもワカサギ漁はもうここで終わりだと思います。水位が上がって欲しいのと、夏はもう少し涼しくなってもらえればなと期待をしております」