東北電力は、5月頃に予定していた女川原子力発電所2号機の再稼働が数カ月ほど遅れると発表しました。安全対策工事に更に時間が掛かるということです。

 東北電力では、2月には女川原発2号機の火災対策の工事を終え5月ごろの再稼働を目指していました。

 しかし、火災対策で電線管に耐火材などを巻き付ける工事を進める中で、工事が必要な電線管の長さが当初の300メートルから430メートルに延びることが判明し、工事の完了時期が数カ月遅れることになりました。工事の遅れに伴い、再稼働の時期も数カ月遅れるということです。

 詳しい時期は、精査するとしています。安全対策工事完了の延期は、これで7回目です。2023年9月には、再稼働時期を3カ月延長し、5月ごろとしていました。

 東北電力原子力本部青木宏昭原子力部長「工事が遅れて収支にも影響があるということは非常に重く受け止めておりますし、地元の皆様から原子力に対して再稼働に対してもご理解いただいている中で、今回遅れるということに対しても非常に重く受け止めております」

 再稼働が数カ月遅れることで、その間火力発電の燃料費が数百億円掛かるとみられるということですが、東北電力は電気料金の値上げは考えていないとしています。

 村井宮城県知事は、安全が最優先なのでやむを得ないと述べました。
 「安全を最優先にして、いざという時に何かあった時にでも重大事故につながらないようにするということは、極めて重要なことだと思います。そういう観点からですね、(再稼働の延期は)私はやむを得ないものだと」

 須田善明女川町長も、やむを得ないとの考えです。
 「スケジュールがあるからといって、そこに無理に合わせることのないよう現場の安全もそうですし、人の安全を十二分以上に配慮しながら進めてくださいと言ってきましたので」