宮城県の企業の障害者雇用率は、2023年に2.29%と全国で40番目にとどまっています。
宮城県が12月に開催した障害者と企業の就職面接会に50以上の企業が参加しましたが、担当者からは受け入れる難しさを指摘する声が相次ぎました。
「私どもの業務にマッチしない部分もあって、応募いただいても難しい部分もあるでしょうし、マッチングは難しいなと感じていました」「車椅子の方に事務所を見ていただいたが、トイレなどが車椅子用、障害者の仕様になっていなくて」
宮城労働局が発表した2023年の宮城県の企業の障害者雇用率は2.29%で、2022年より0.08ポイント上がりましたが法律が求める2.3%には依然届かず、都道府県別では40番目の低い水準です。
4月からは雇用率が2.5%に引き上げられ、ハードルがより高くなります。
宮城労働局竹内聡局長「企業の皆さんも受け入れる必要性はご理解いただいていると思います。ただ、受け入れ方、ノウハウがやはり足りないんだと思います」
こうした中、大手飲料メーカーサントリーは2023年に知的障害がある社員を受け入れる拠点を、東京と大阪に次いで仙台市青葉区の東北支社に設けました。
ここで働くのが小田原天音さんと千葉蓮さんです。19歳の2人は宮城県の支援学校を卒業して2023年4月に入社しました。
小田原天音さん「チラシがあって番号があるんですけど、それをエクセルに打ち込む作業になります」
重視したのが、職場になじめるか見極めることです。2人の入社前、1週間のインターンシップを3回実施し採用前にお互いの適性を確認しました。
サントリー東北営業本部是沢宏佳企画部長「入ってからその会社とマッチするかが一番大事だと思っていて、お互い合うよねとしっかりお2人と会社で確認できて来ていただいたことが一番良かった」
会社宛てに届く郵便や荷物を配ることも、2人の仕事です。多くの社員と関わる業務を割り当てることで孤立を防ぎ、職場への適応が進むよう配慮しました。
千葉蓮さん「(酒の仕事は)とても勉強になりますし、二十歳になったらお酒を飲みたいなと考えながら業務に取り組んでいます」
小田原天音さん「(頼まれた仕事が)終わった時に報告して、ありがとうと感謝を言ってもらえて、すごくやりがいを感じて次の業務も頑張ろうという気持ちになっています」