宮城県石巻市の住宅で母親の首を包丁で刺して殺害した罪に問われている男の裁判で、検察側は男に懲役15年を求刑しました。

 起訴状などによりますと石巻市の無職、佐藤昌喜被告(50)は2023年6月に石巻市の自宅で母親の多喜子さん(当時75歳)の首を包丁で刺して殺害した罪に問われています。

 これまでの裁判で佐藤被告は「殺意はなかった」と起訴内容を一部否認していて、殺意の有無と責任能力が争点となっています。

 8日に仙台地裁で行われた裁判員裁判で、検察側は「被告は統合失調症を患っていたが、犯行当時は症状が無く完全責任能力が認められる」と指摘たうえで「無抵抗の多喜子さんに対し鋭利な刃物を使用した極めて危険な行為で、殺意は強固」などとして懲役15年を求刑しました。

 一方、弁護側は「被告に殺意はなく、事件当時も心神耗弱状態だった」として殺人罪は成立しないと主張しました。

 判決は16日に言い渡されます。