宮城県岩沼市の海岸で女性保育士が遺体で見つかった事件で、キックボクシング選手の容疑者は「事件の前日に試合のチケットを渡しに行った」と話していたことが分かりました。

 宮城県警宮澤伸育刑事部長「本日、死体遺棄容疑で被疑者を逮捕しました。被疑者は佐藤蓮真、21歳、男性」

 13日、岩沼市下野郷の砂浜で仙台市太白区の保育士、行仕由佳さん(35)が殺害されているのが見つかりました。

 行仕さんは、波消しブロックの隙間に仰向けの状態で胸や腹などに複数の刺し傷がありました。

 1つは心臓に達するほどの深さで、司法解剖の結果、死因は失血死と判明しました。

 26日に事件は急展開し、警察は岩沼市土ケ崎の佐藤蓮真容疑者(21)を死体遺棄の疑いで逮捕しました。

 近所の住人「全然お付き合いも無いですし、びっくりという感じです。こんな事件があったなんて」

 逮捕の決め手となったのは、防犯カメラのリレー捜査でした。

 捜査関係者によりますと、行仕さんは12日午後7時に仙台市太白区の自宅を出て、40分後の現場近くの防犯カメラには、佐藤容疑者の車に行仕さんが乗っている姿が確認されています。午後8時45分ごろには、佐藤容疑者が1人で車に乗って海岸付近を走り去る姿も映っていたということです。

 佐藤容疑者の人柄も明らかになってきました。

 中学時代の知人「人懐っこくはありました。仲良くしてくれてはいましたし、でもけんかっ早い方ではあったんじゃないですかね。落ち着いてるタイプではなかったので」

 佐藤容疑者は、宮城県南部にあるキックボクシングのジムに通っていました。

 大会が開催される際は、チケットを知人らに1枚数千円から数万円ほどで販売するほか、掛け持ちでアルバイトをして生活していました。

 バイトの知人「年上に好かれるタイプ、人懐っこい、格闘技を頑張ると言っていた。ちゃんと仕事をしながら、格闘技もしているみたい」

 行仕さんは、佐藤容疑者の試合を観戦したりチケットを購入したりしていました。

 関係性を知る周囲の人が事件翌日、佐藤容疑者に行仕さんとの関係性を尋ねると「試合のチケットを渡すために女性と会った」と説明し落ち着いた様子だったということです。 捜査関係者によると、押収した佐藤容疑者のスマートフォンには、行仕さんの電話番号が登録され事件の数日前にも2人が通話した記録が残されていました。

 警察は、2人が親しい関係にあったとみて取り調べを進めています。