次の総理大臣を決めることになる自民党の総裁選に一番乗りで立候補したのは「コバホーク」こと小林鷹之議員(49)。一体、どんな人物なのでしょうか。

■自民総裁選 小林鷹之氏が出馬表明

自民党総裁選に出馬を表明 小林鷹之衆院議員 「私、小林鷹之は来る自民党総裁選挙に覚悟を持って出馬することをここに表明します。脱派閥選挙をこの総裁選で徹底します。活力ある社会を取り戻さなければ日本は世界のなかで埋没してしまう。ビジョンを掲げ、進むしかないんです」

 事実上、次の総理大臣を決める自民党の総裁選挙で出馬表明一番乗りを果たした小林鷹之前経済安全保障担当大臣。

 英語で「鷹」を「ホーク」と言うことから、付いたあだ名が…。

小林鷹之衆院議員 「コバホーク…」 「(Q.皆さんにも、そう呼んでもらってもいいよって感じですか?)全然いいですね。どうですか?コバホーク」

 17日、新潟県を訪れた小林議員。支援者を前にこう訴えました。

小林鷹之衆院議員 「新しい自民党に変えていく」

■“コバホーク”小林鷹之氏(49)とは

 千葉県市川市出身の49歳。中学・高校はバスケットボール部、大学はボート部に所属。身長186センチの長身です。

 東大法学部を卒業後、旧大蔵省に入省。2012年の衆議院選挙で初当選して現在4期目。3年前、初代の経済安全保障担当大臣に就任。党内で若手ホープの一人とみられています。

小林鷹之衆院議員 「(Q.お昼に何を食べることが多い?)ラーメン、ラーメン。基本的に替え玉はしますね。あとはバリカタですね、硬さは。硬さはバリカタ」

■カラオケ十八番は「郷ひろみ」

 当選同期の議員は羨望の眼差しを向けています。

自民党 当選同期 細田健一衆院議員 「長身イケメン。本当に悔しいのはですね、カラオケもうまいんですよ」

小林鷹之衆院議員 「(Q.カラオケの十八番は?)『2億4千万の瞳』でいきます」 「(Q.郷ひろみさんっぽく歌う?)当然、その場に、TPOに応じて。ジャパン!」

 取材ディレクターの無茶ぶりに笑顔で応えてくれました。

■「刷新感」背後に安倍派の影?

 当初は、16日に出馬表明する予定でしたが、台風7号の影響で延期したという小林議員。それでも出馬表明が一番乗りになることについて19日朝、こう話しました。

小林鷹之衆院議員 「私が最初に飛び込んでいくと。ファーストペンギンとして飛び込んでいって新しい自民党をつくっていく、そういうメッセージが少しでも世の中の皆さんに伝わればいいなと思っています」

 二階派に所属していた小林議員ですが、今回、主に支援しているのが安倍派の中堅・若手議員たちです。

 この週末、新潟市で横田めぐみさんが拉致された現場を視察しましたが、拉致問題解決は安倍元総理の悲願でした。

 刷新感の後ろに見え隠れする安倍派。党内からは懸念の声も出ています。

自民党 中堅議員 「裏で束ねているのが安倍派だと見られた瞬間に、そのイメージが崩れてしまう」

 裏金事件については…。

小林鷹之衆院議員 「新たな事実が出て来た場合には当然、党としての調査を考えると」

 小林議員は裏金事件に関わったものの、処分を受けなかった安倍派議員らが要職から外されている現状について、一部見直すべきとの認識を示しました。

小林鷹之衆院議員 「自民党は生まれ変わる、日本は生まれ変わる。この国をより高く、より遠くへ覚悟を持って挑戦します」

■自民総裁選“候補者乱立”の様相

 ポスト岸田に意欲をみせる議員たち。自民党総裁選の日程は20日、正式に決まるなか、今週以降、その顔ぶれが固まるとみられています。

上川外務大臣(71) 「『初の(女性)総裁になって』と大変多くの方々から励ましの言葉をいただいておりまして、手応えを感じているという状況であります」

小泉元環境大臣(43) 「この場所は総理官邸ですから、総裁選について触れるのは適切でないと思いますので、そこは控えさせていただきます」

 石破元幹事長(67)や河野デジタル大臣(61)は今週中にも出馬表明する見通しです。

石破元幹事長 「(出馬表明は)早ければ今週中で、今週は土曜日までございますのでね」

■ポスト岸田 あなたの「推し」は?

 街で聞くと、まず名前が挙がったのは…。

40代の人 「河野さんかな。印鑑をなくしたじゃないですか。“本当にそうだよね”というのをすごく感じた。皆さんが思う“煩わしさ”をちゃんとくんでくれた」

 男性が推すのは…。

50代の人 「自分は石破さんを推す。街中の食堂で会って、声を掛けたら普通に話してくれた。庶民的な意見も常日頃出したり、接点も持ってくれるので、今回はちょっと“風”が吹くんじゃないかなと」

 初の女性総理を期待する声も…。

40代の人(息子は小5) 「高市さん。女性ならではの子育て支援も考えてくれたらうれしい」

 そして、多くの人が“重要な要素”として挙げたのが…。

80代の人 「“若い人”がいい。小林さん」

60代の人 「“若手”というところで小林鷹之さん。自民党は年配の人の政治が続いてきたので、“よどんでいる感”があるので、“新風”を吹き込んでほしい」

 若さでいえば、この人も…。

50代の人 「小泉さん」 「小泉さん」 「“若い”から」 「“自民党ぶっ壊す”つもりでやってもらわないと」

 番組が、10代から80代までの男女50人に聞いたところ、「推し」として最も名前が挙がったのは小泉進次郎元環境大臣でした。

■どうなる「定員オーバー総裁選」

 これまでの自民党総裁選の候補者は最も多い時でも5人。それが今回、名前が挙がっているのは10人に上ります。

ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏 「これだけ乱立したことによって、“定員オーバー総裁選”になってしまった。スタートラインに並べない候補が何人も出てくる」

 総裁選に出馬するには20人の国会議員からの推薦が必要です。

後藤謙次氏 「最終的には4人か5人まで絞られていくと思う。自民党の国会議員は367人なので、半分より多い数の推薦人が誕生してしまうということになる。現実的には考えられない」

 何が明暗を分けるのでしょう。

後藤謙次氏 「一定程度の数が望めるのは派閥的背景がある人。1人は河野太郎氏。大きな壁だった麻生太郎氏(麻生派会長)が、出馬を容認したとされている。最低20人は楽々クリアできるだろう。もう一方の対極にいるのは林官房長官だと思う。“岸田派”の大勢が林氏を支持する。(岸田総理が)あえて閣僚懇談会のなかで『閣僚の皆さんも皆どんどん出て下さい』という趣旨のことを発言した。“皆さんどうぞ”という半面で、最大の眼目は官房長官という、最も(総裁選に)出にくいポストにいた林氏が出られる環境を作った」

 では、この人は…。

後藤謙次氏 「河野太郎氏が名乗りを挙げたなかで、小泉進次郎氏は同じ自民党・神奈川県連の議員、この2人が出た時に、また裂きになってしまう。必ず出るという状況に至っていないのではないか」

 後藤氏は、結局は派閥的な動きがものを言うと指摘します。

後藤謙次氏 「“二階派”は期別の会合を繰り返していますし、私の情報では、今週は“岸田派”がそういう会合を開くと。派閥が再結集されるような動きが本格化して、派閥なき派閥総裁選」