自民党は5日、総裁選の日程やルールを決める選挙管理委員会の初会合を開き、準備を本格化させた。ポスト岸田候補たちも動き始めている。

 平和記念式典に出席するため広島を訪れた岸田総理。先祖の墓参りで再選を祈ったのだろうか。

 週末にはカザフスタンなど中央アジアを訪問する予定だ。

 「今ほど外交が大事な時はない。岸田総理しかできない(自民ベテラン議員)」との声も上がる。

 そんななか、茂木幹事長は東南アジアを歴訪し、要人との会談や視察を重ね、得意の外交で存在感をアピールしたい考えだ。

 自身の出馬については「夏の間によく考える」という茂木氏。外遊先のインタビューでは。

茂木幹事長 「誰がトップに立っても政権運営は相当厳しいものになる」

 次の総裁には「チームをまとめて改革を大胆に実行する力が求められる」と強調した。茂木氏周辺は「出馬するなら推薦人は集まる」と話す。ただ党内からは。

自民若手議員 「茂木総裁はないね。党内の信用がない」

 幹事長としての手腕を疑問視する声も多く、支持が広がるかは不透明だ。親しみやすさを強調し、知名度アップも狙う。

有権者 「次、総理になって下さい」

石破元幹事長 「なかなかそれは難しいね」

 世論調査では常に1位の石破元幹事長。地元の会合で出馬に意欲を示した。

石破元幹事長 「この国を鳥取から変えるということをやってみたい。そのために役割を果たせれば望外の幸せ」

 国民人気とは裏腹に、過去4回の総裁選では国会議員の支持をえられず敗れた。派閥の壁がなくなった次こそはと菅前総理ら非主流派の支援を期待する。しかし。

閣僚経験者 「菅さんの意中の人は石破ではなく進次郎だ」

 ある閣僚経験者は、小泉進次郎氏が出馬を模索していると話す。「選挙の顔」として待望論も強く、一気に票が流れるという見方もある。

小泉元環境大臣 「世界の情勢や今の日本の課題を考えたら、それでもやっぱり自民党だと思わせられるかどうか。何ができるのかを考えていかないといけない」

 小泉氏は最近、重鎮や若手議員と面会を重ねている。憲法改正にも強い意欲を示すなど、出馬に向けた動きともとれる。

 一方で「パフォーマンスだけで中身がない」「ポエム」などと過去の言動に批判も。党内基盤の脆さも課題だ。

笠井美来記者 「今は若手や二階派の議員を中心に小林鷹之前経済安保担当大臣を担ぐ動きも出ています。非主流派や無派閥系の議員がまとまれば本命候補となり、菅前総理がどういう判断をするかに注目が集まっています」

 このほか、出馬を模索する高市氏は、安倍元総理の命日に本を出版するなど保守票を狙う。

 麻生派に所属する河野氏は、麻生副総裁の支持をえられるかが焦点となっている。

 総裁選の構図を左右する岸田総理の態度表明はお盆明けとなる見通しで、今月中旬以降、動きが本格化することになる。