IAEA(国際原子力機関)のグロッシ事務局長はロシア西部のクルスク原発で深刻な原子力事故が起きる恐れがあると警鐘を鳴らしました。

 グロッシ事務局長は27日、ウクライナ軍が越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州のクルチャトフにあるクルスク原発を視察しました。

 視察後、グロッシ事務局長は記者団に「クルスク原発はほぼ通常通り稼働している」「ただ、ドローン攻撃を受けた形跡があった」と明らかにしました。

 そして、「いかなる状況においても原発は攻撃すべきでない」と強調し、「さらなる外部からの衝撃などは、深刻な原子力事故につながる恐れがある」と警鐘を鳴らしました。

 特にクルスク原発は圧力容器や格納容器がない旧型の原発で核燃料が置かれている原子炉が普通の屋根でしか守られておらず、非常に脆弱(ぜいじゃく)だとしています。

 ロシアはウクライナによる越境攻撃が始まって以降、原発が度々攻撃されていると主張しています。

 グロッシ事務局長はウクライナも訪問し、ゼレンスキー大統領と会談する予定です。