兵庫県の斎藤知事が「百条委員会」の証人尋問に出頭しました。記憶にあるものと記憶にないものがどうやらはっきりしているようです。

■“おねだり疑惑”どう答えた?

 2度目の宣誓。

 1度目の“パワハラ疑惑”に続き、今回は“おねだり疑惑”についてです。  

兵庫県 斎藤元彦知事(46) 「(Q.一緒にいた周りの議員などに知事ここはやめた方がいいとかのアドバイスあった?)一切なかった。ぜひ食べて下さい、楽しんで下さい」

 6日、兵庫県議会の百条委員会で斎藤元彦知事の2度目の証人尋問が行われました。虚偽の証言をした場合などには罰則があります。

兵庫県 斎藤元彦知事 「物品性があるもので保存しているものは持っていると思うが、例えば食べ物とか消費するもので出先に行った時にもらって、それを直接家に持ち帰ったことは、生ものですのでそれはありました。持ってない、持っているもの、基準になっていると思います」 「(Q.知事の自宅には贈答品が山のように積まれてる、これは事実でしょうか?)そういったことはない」

 県職員およそ6700人が回答したアンケートでは、斎藤知事が視察先などで贈答品を受け取る「おねだり体質」について「見聞きしたことがある」と答えたのはおよそ23%に上りました。

県職員へのアンケート 「ロードバイクに乗りたいと知事が発言し、担当部署の配慮?により高級バイクが寄贈されたと聞いた」

 斎藤知事のSNSに投稿されたカニやカキ。この写真のものか分かりませんが、自由記述欄には、カニやカキのお土産を斎藤知事が“独り占め”していたとの指摘が複数ありました。40万円の革ジャンなどをおねだりしていた疑惑もあります。

県職員へのアンケート 「知事が視察に行くことを『遠足』、視察時に持ち帰る物品を『お土産』と揶揄(やゆ)し、『遠足が好きやから』『お土産必須やから(困るわ)』と県職員があきれた感じで話すのを聞いたことがある」

兵庫県 斎藤元彦知事 「(Q.ロードバイクの返却について)ヘルメットはロードバイク乗る時に必要なので、おそらくセットで無償提供いただいた。サングラスは記憶にない」 「(Q.ウェアは?)ウェアは記憶にない」 「(Q.よく出てくるカキは?)カキ加工場を視察して食事をさせていただいた帰りに提供いただいた」 「(Q.上郡のワイン)はい」 「(Q.枝豆は記憶にあるか?)県の農業試験場で作られたものが知事室に届けられたのを記憶している」

■なぜ告発者は守られなかった?

 そして、もう一つの議題が元局長の告発についてです。

 斎藤知事のパワハラなどを告発した元西播磨県民局長が「嘘八百」などとして懲戒処分になった問題です。

 元局長が報道機関などに告発文を配布したのは3月中旬。斎藤知事らが文書を把握したのが20日でした。翌21日に県幹部らを集め、協議したといいます。

兵庫県 片山安孝前副知事(64) 「知事から『徹底的に調べてくれ』という話があったような記憶がございます」

百条委員会 奥谷謙一委員長 「先ほどの片山前副知事の証言では徹底的に調べてくれというふうに言われたとおっしゃっていたが、間違いないですか?」 兵庫県 斎藤元彦知事 「そのように記憶しております」 百条委員会 奥谷謙一委員長 「片山氏の方からは事情聴取をしようと提案があって、知事がそれを了承した?」 兵庫県 斎藤元彦知事 「確かそうだったと思います」 百条委員会 奥谷謙一委員長 「詳細については片山氏に一任された?」 兵庫県 斎藤元彦知事 「そうですね」

 告発文には、片山前副知事の名前も上がっていたといいます。

百条委員会 奥谷謙一委員長 「客観的にみると、告発文に書いてある当事者の人がその文書を作成した人を探すというのは、告発を握りつぶそうとして、そういうふうに行動に出てると感じられると思うんですけど、そういう認識そういう考えはないか?」 兵庫県 斎藤元彦知事 「そういう認識はないですね。告発というよりも誹謗(ひぼう)中傷性の高い文書を作成したということですので、その作成者をやっぱりしっかりどなたかということを探していくことは必要」

 4月、元局長は今度は公益通報制度に基づき県に通報しました。

 これに対し、斎藤知事は「公益通報の調査結果が出るまで処分を待った方がよい」と進言する人事局に「調査結果を待たずに懲戒処分できないか」と問い合わせたと言われています。

 5月、県は元局長を停職3カ月の懲戒処分にしたのでした。

百条委員会 奥谷謙一委員長 「兵庫県の手続きに瑕疵(かし)があると、違法であると思うが知事の認識は?」 兵庫県 斎藤元彦知事 「ありません」

 19日には兵庫県議会が始まり、斎藤知事に対する不信任決議案が複数の会派から提出される可能性があります。