過密状態となっているイギリスの刑務所で受刑者の早期釈放が行われました。

 10日、イギリス政府はイングランドとウェールズの刑務所から一部の受刑者を釈放しました。

 比較的、刑が軽く刑期の40%を終えた受刑者が対象で、およそ1700人に上るということです。

 ロンドン西部にある刑務所前では混乱を避けるため多くの警察官が警戒にあたるなか、出所した受刑者が出迎えの友人らと抱き合う光景がみられました。

出所した受刑者 「5日早く出所した。(刑務所では)更生はない。屈辱を味わうだけだ。すぐに殴られるし、食事は冷たい」

 イギリスでは犯罪の厳罰化に伴って刑期が長期化する一方、刑務所の増設が間に合わず、収容人数が限界に近付いています。

 また、7月末から各地で発生した反移民などを訴える暴動で多くの実刑判決が出され、さらに受刑者が増え問題となっています。

 イギリス政府は家庭内暴力や性犯罪、4年以上の刑期で服役する受刑者を除き、来月末までにおよそ5500人を釈放する予定です。

 地元メディアによりますと、麻薬の密売や強盗などで服役していた受刑者も含まれていて、専門家や市民からは再犯を懸念する声も上がっています。