■9月残暑でうなぎ店“大忙し”

 この暑さでも、並ばずにはいられない一品が、井戸水で生かした新鮮なうなぎを明治創業以来つぎ足された秘伝のたれをたっぷりと。

 千葉・成田山の参道に店を構える、老舗うなぎ店。9月に入った今も多くの客でにぎわいます。

 例年、7月と8月の土用の丑(うし)の日でピークを迎えるうなぎ。ただ、今年は違います。

川豊 伊藤小澄さん 「9月に若干、例年(客足が)落ちるが、例年に比べたらたくさん来てもらっている方だと思う。9月は例年より2割ぐらいは多いと思う。今年は特に残暑が厳しく、かなりまだ暑くて、お客様は『暑いとうなぎ』というのがあるのでは」

 9月になっても落ちない客足。11日の気温は33.2℃。平年値だと28℃ほどということもあり、まだまだうなぎが人気です。

 常夏の国、タイからの観光客も、うなぎに初挑戦です。

タイからの観光客 「ぬるぬるして、タイではうなぎはあまり食べません。たれも食感も…ワオ」

 まだうなぎが売れるのもうなずけるほど、記録的残暑は続きます。

 熊本では実に43日目の猛暑日。これは観測史上最多の記録です。

 太平洋高気圧が強まった11日、各地で猛暑日となりました。

■絶景“秋の風物詩”相次ぐ異変

 うれしいことばかりではありません。

日高市産業振興課 澁谷宜範主任 「涼しくなって秋を感じないと芽を出してくれない」

 例年、赤いじゅうたんのような絶景を見せる、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)。今年は例年通りとはいかず、予定を変更せざるを得ない状況でした。

 猛烈な残暑は関東でも。

 埼玉県日高市。周辺の鳩山では観測史上最多の猛暑日となりました。犬も人も、少しでも涼を求めます。

 日高の秋の風物詩といえば一面、赤いじゅうたんが敷き詰める曼珠沙華。彼岸花とも呼ばれる花が秋の埼玉を彩るはずが。

日高市産業振興課 澁谷宜範主任 「本当に暑くて…。涼しくなってくれないとやっぱり…秋の花なので、秋にならないと花が咲かない」

 おととしの同じころの様子と比べると、花がほとんど咲いていないことが見てとれます。今年は残暑が続き、1週間ほど開花が遅れていました。

千葉県から来た人 「(残暑が)植物にも影響されているのかな。人間もな、つらいもんな」

 厳しい残暑が続く埼玉。案内中も。

日高市産業振興課 澁谷宜範主任 「暑いので、すみません」

 担当者の汗は止まりません。

日高市産業振興課 澁谷宜範主任 「暑くて、本当に…。本当に涼しくなってくれないと困る」 「(Q.まだセミも鳴いている)まだここだけ見たら、ただの夏」

 14日開催予定だった曼珠沙華まつりを、来週にずらすことを決めました。

日高市産業振興課 澁谷宜範主任 「今後はもうちょっと後ろにずらすことも必要なのかなとは思う。遅れてはいますけど芽はちゃんと出てきているので、ぜひ満開の時に曼珠沙華公園に来ていただけると良いかなと」