イカの街・函館が異例のカツオ豊漁に沸いています。首都圏にも届く「函館産カツオ」におすし屋さんもびっくりです。

■「イカの街」函館で“カツオフィーバー”

 鮮度抜群。色鮮やかに光り輝く赤身。旬の魚・カツオです。

 このカツオは、北海道の函館から直送されたもの。今月から初めて函館産を提供しているのは…。カツオの産地として有名な千葉県にあるすし店です。

 地元・千葉のカツオではなく、あえて函館のカツオを使うのには訳が…。

寿し遠藤 遠藤大輔さん 「(Q.函館でカツオはよく取れる?)正直、聞いたことがなかった。今年初めて使っている。仕入れ先に話を聞いてカツオがあがったと。入荷してみようと思い使ってみた。淡白でモチモチと弾力がある」

 なぜ、急にカツオが取れるようになったのでしょうか。北海道の函館へ向かい、現地を取材。地元の魚市場を訪ねると…。北海道を代表する海産物、カニやサケ。さらには、ウニなどが売られているなか、函館産カツオの刺身がずらっと並んでいます。函館の人たちは“カツオフィーバー”に沸いていました。

丸み佐藤商店 佐藤睦社長 「函館近海で取れるなんて初めてなので、本当に今、びっくりしていた。大変良いこと。魚体も良い、脂も乗っている。食べてもおいしい。鮮度が良いので2日、3日は色が変わらない」

 赤から白へのグラデーション。脂がたっぷり乗った取れたてのカツオに東京から来た観光客が舌鼓。

東京からの観光客 「すごくおいしい。新鮮で臭みもない。こんなカツオ食べたことない」

 函館のカツオは、全国の都市部にも届けられています。

佐藤睦社長 「『カツオ、カツオ、カツオおいしいよ』ってアピールしているので、全国の居酒屋、料亭、すし屋に函館から東京、札幌。あちこち関西方面まで毎日送っている」

 生鮮カツオの水揚げ量は、宮城県の気仙沼港を筆頭に千葉県の勝浦港、鹿児島港と続いています。

 北の大地・北海道では今、海の幸に異変が起きています。11日朝、港の市場に行くと…。

 定置網に掛かったカツオです。函館ではこれまで定置網漁でスルメイカが大量に水揚げされ、長年、地元の名産になっています。

 ただ、近年ではイカの不漁が続き、生産量が激減しています。代わりにこれまで取れなかったカツオが今年から取れるようになった訳は…。

函館水産試験場 藤岡崇専門研究員 「函館周辺の海水温が高い状況になっていて、カツオが函館沖にも回遊してきた」

 今年は暖流の黒潮が北上していて、その流れに乗ってカツオが北海道周辺で回遊しているとみられます。

 この変化をチャンスと捉え、新たにカツオ定食を始める飲食店も。

えみちゃんの店 笑和 堀川絵巨さん 「『どう?』って食べた人に聞くと、皆『脂があっておいしいね』って。どんどん取れて、皆さんの口に入ってくれれば良い」