タイの赤ちゃんコビトカバ「ムーデン」ちゃんの世界的な人気は、日に日に拡大しています。その大人気ぶりが別の動物園で思いもよらぬ変化を生み出していました。

 東部チョンブリ県のカオキアオ動物園には、「もちもち豚だんご」という意味の名前の「ムーデン」ちゃんを目あてに連日、世界各国の観光客が集まっています。

 動物園によりますと、9月の来園者数は去年の同じ時期のおよそ2倍にあたる11万人超えとなっています。

 また「X」上では、2週間弱で220万件以上のムーデンちゃんに関する投稿がありました。

スウェーデン人観光客 「ムーデンが走り回る様子が(SNS上に)投稿されていた。『デン』はタイ語で『跳ねる』という意味で実際に跳ね回っていた。とっても可愛い」

アメリカ人観光客 「ムーデンを見ると、ただただ幸せな気持ちになる。皆もっと彼女を見て幸せになりたい。彼女の頬はピンク色。ピンク色のほっぺ」

 特にムーデンちゃん旋風が席巻しているタイでは…。

 バンコクにあるカフェが9月からムーデンちゃんケーキの販売を始めたところ、瞬く間にSNSを通じてファンに知れ渡り、一日40個の注文が入る日もある程の盛況ぶりとなっています。

カフェの店員 「(見た目がリアルすぎるため)一番食べやすいお尻から食べ始めるのがいいと思う」

 さらに、コビトカバ自体の人気も高まっています。

コンケーン動物園 ティパワディー園長 「来園者の数は約25%増えた。完全にムーデン人気のお陰」

 東北部コンケーン県にある動物園では、ムーデンちゃんのいとこで生後5カ月の「ムードゥアン」君を見に来る人が増えました。

 注目すべきは、その名前です。ムーデンちゃんと同じ「ムー」がついているのはいとこだから…ではありません。

 実は、ムーデンちゃん人気にあやかって、動物園が急きょ、元々の名前「ドゥアンマパオ」から改名したのです。

 このほか、東北部ナコンラチャシマ県にある動物園にも、「マナオ」から「ムーマナオ」に名前を変えた11歳のメスのコビトカバがいます。

 「ムーマナオ」ちゃんとムーデンちゃんとのつながりは、「コビトカバである」という点のみですが、この状況に…。

ナコンラチャシマ動物園 タナチョン園長 「ムーデンのような赤ちゃんカバはいないが(来園者が増えて)ムーマナオもうれしそう」

 一方で、ムーデンちゃん人気が行き過ぎて、困ったことも起きています。

 観光客のなかにはムーデンちゃんに向かって物を投げるなどする人もいて、動物園はマナーを守るよう呼び掛けています。

 こうした周囲の騒ぎもありながら当のムーデンちゃんはすくすく育っていて、むっちりとした愛らしいフォルムに磨きをかけています。

 ムーデンちゃんフィーバーはまだまだ続きそうです。