東北大学などが北海道沖の千島海溝で地殻変動を調査したところ、陸側のプレートが海側のプレートとくっついた状態で年間8センチほど一緒に沈み込んでいることが分かったと発表しました。

 東北大学などの研究チームは2019年から5年間、GPS観測装置を使って巨大地震発生の可能性が指摘されている千島海溝の地殻変動を調査しました。

 その結果、「固着域」と呼ばれる陸側のプレートと海側のプレートのくっついている部分が年間8センチほど一緒に沈み込んでいることが分かったということです。

東北大学 災害科学国際研究所 富田史章助教 「陸のプレートの先っぽの部分が海のプレートと一緒になって沈み込んで、将来的に地震を起こすエネルギーをため込んでいると」

 千島海溝沿いでは過去に300年から400年の周期でマグニチュード9クラスの超巨大地震が発生してきた可能性が指摘されていて、前回は17世紀にマグニチュード8.8クラスの地震が起きたとされています。

東北大学 災害科学国際研究所 富田史章助教 「17世紀の地震から約400年にわたって現在と同じ速度でひずみが蓄積していた場合は、将来的にマグニチュード8後半からマグニチュード9程度の超巨大な地震を引き起こすエネルギーがすでに蓄えられている可能性がある」

 そのうえで富田助教は、いつ地震が起きても対応できるように被害の備えを充実させることが重要だとしています。