仙台市若林区のスーパーが、キャッシュレス決済を3月末で終了します。苦渋の決断には、手数料の負担が影響しています。

 仙台市若林区の生鮮館むらぬしは安さと品ぞろえが売りで、地元の買い物客らでにぎわっています。

 レジでは現金だけではなくクレジットカードや電子マネー、QRコードによるキャッシュレス決済に対応してきました。

 生鮮館むらぬし村主芳治店長「キャッシュレス決済を廃止することになりました」

 3月末でキャッシュレス決済をやめ、現金支払いにする苦渋の決断をしました。

 背景にあるのは、増え続ける手数料の負担です。

 村主店長によりますと、手数料はクレジットカードで導入当初の1%から3%へ、QRコード決済で当初のゼロから2%になりました。

 買い物客の1割ほどだったキャッシュレス比率も4割ほどに高まったことで、手数料の負担は年々増えています。更に輸送費や人件費も上昇していることで、店の利益は削られます。

 官民挙げてキャッシュレス化を推進する中、値上げによる価格転嫁を避けるための苦渋の決断でした。

 生鮮館むらぬし村主芳治店長「全力で何ができるかを考えて、1円でも安く売ろうと舵を切りたかったので、キャッシュレスの手数料分をそのまま現金で還元した方が1%でも安く売れるので、その方がお客さんのためになるのではないか」

 買い物客「キャッシュレス決済は財布を持たなくていいので、現金が若い人たちは理解できないところがあるのではないかと思いますけど」「ポイントを貯めたいが、手数料が大変いうこともあるので、現金のみのところは現金で」「準備すればそれほど問題ないですし、それで節約になるならいいのかなと思います」

 店ではキャッシュレス決済の終了に合わせ、4月1日から店内ほとんどの商品を1%割り引くキャンペーンを実施します。