年度末が迫るなか、新年度予算はいつ成立するのでしょうか。ここにきて与野党がある対応を巡って駆け引きを始めました。
■年度末まで残り1週間 「暫定予算」必要?
24日の国会。与野党の間で頻繁に登場した、ある「キーワード」がありました。
自民党 石井準一参院国対委員長 「暫定予算を組むことになると、マンパワーが必要になります」
立憲民主党 斎藤嘉隆参院国対委員長 「暫定予算の編成についての話がありまして」
「暫定予算」とは、3月31日までに新年度予算が成立しない場合に、4月1日からの予算の“空白期間”をつなぐために組む予算のこと。
自民党側の説明によりますと、暫定予算を閣議決定して衆議院と参議院を通すには「3日ほどかかる」ということで、判断の時期が迫っています。
年度末まで残り1週間となるなか、暫定予算が必要になるのか、自民党が野党の腹の内を探りに来た形です。
野党は早速、持ち帰って協議しました。
その後、再び自民党と面会へ。野党の回答は…。
斎藤参院国対委員長 「野党側として暫定予算を編成することを(自民党に)求めました」
つまり「年度内に予算を通せない可能性がある」、そう通告したことにもなります。
■議論が足りない “土日審議”も
これを受けて、自民党と公明党は急きょ、参院幹事長など幹部を集めて、対応を協議しました。
そして、24日に3回目となる協議で今度は立憲民主党側に与党の考えを伝えます。
石井参院国対委員長 「暫定予算を組まない。年度内に令和7年度予算を仕上げる」
与党としては、あくまでも年度内に予算を成立させる腹づもりです。
しかし、そう簡単ではありません。
野党は参議院で予算案を採決するには、まだ「審議時間が足りない」と主張しています。
仮に、このまま暫定予算もなく、予算を年度内に成立できなければ、4月1日以降、国民生活や地方行政に影響が出る可能性も否定できません。
政府は、石破総理が高額療養費の負担上限額の引き上げ見送りを決めたことで、予算案を参議院で再修正して、再び衆議院に送る予定です。
しかし、憲法の「衆議院優越」規定で4月2日が終わった瞬間に、高額療養費を見直す前の予算案が「自然成立」することになります。
石井参院国対委員長 「仮にですよ、過去例のない“自然成立”という形になると、国民から見れば『何やってるんだ』という評価もあるのではないか」
野党が「年度内成立」で歩み寄ってくるのを待つ姿勢です。
野党はどうするのでしょうか?参議院では、年度末までに急いで予算の審議時間を積み上げるために、この土日に国会を開く案も浮上しています。
斎藤参院国委員長 「(Q.与党から土日を使った審議を求められたら?)野党として納得できれば排除する気はありません。あす改めて頭を冷やして『もう1回協議をしましょう』なった」
(「グッド!モーニング」2025年3月25日放送分より)