磯焼け対策で駆除し陸上で養殖した、宮城県南三陸町のウニが仙台の市場に出荷されました。天然ものと遜色ない身入りに育ち、評判は上々でした。

 仙台中央卸売市場に入荷したのは、南三陸町で養殖されたキタムラサキウニ200個です。

 県内では温暖化に加え、震災後の生態系の変化に伴うウニの異常繁殖で海藻が減少する磯焼けが進んでいます。

 海中には、餌不足で痩せたウニが増え駆除している状況です。

 水産加工会社のケーエスフーズでは、4年前から駆除されたウニを水槽で養殖する事業に取り組んでいます。

 ワカメやキャベツなどを与えて育てたところ、最初は5%程度だった身入りが、半年後には15%から20%程度まで改善しました。

 身がふっくらと詰まった養殖ウニは、夏場の天然ものとほぼ同じ1個400円で取り引きされました。

 購入した業者は「この時期は、国産のウニはなかなかないので客も待っている」と話していました。

 ケーエスフーズ西條盛美社長「大変うれしいです。皆さんからもある程度評価をしていただいたので、とりあえず春の出荷としては安心してます」

 今後は養殖する数を4倍ほどに増やし、1年を通して安定した出荷を目指すということです。