新型コロナ感染者の全数把握の見直しに伴い、発生届の対象外となる自宅療養者をサポートする仙台市の健康フォローアップセンターについてです。24時間態勢で、感染者からのさまざまな相談に対応しています。

 担当者「仙台市健康フォローアップセンターです。ご用件をお伺いします」
 仙台市が運営する健康フォローアップセンター。職員40人が、24時間態勢で新型コロナ患者からの問い合わせに対応しています。
 担当者「陽性判明日は本日で、お間違いないでしょうか。熱が37.5℃ほど、はい、のどの痛み」

 これまでは、新型コロナの感染者が確認されると医療機関がすべての患者について保健所に感染者の発生を届け出て、保健所が健康観察などの連絡をする仕組みでした。
 ところが、7月半ば以降の爆発的な感染者の急増で発熱外来がひっ迫し、新規感染者のすべてを届け出る全数把握が医療機関の負担になっているとして、宮城県では2日から見直しました。

仙台市健康フォローアップセンター

 従来通り、発生届が出されるのは65歳以上の人や妊婦、入院が必要な人で、それ以外の人からの相談を一手に引き受けるのがこのセンターです。
 仙台市保健所白岩靖史参事「制度の切り替えに伴って、さまざまな分からないこともありますし、何よりも陽性になって体調が不安で、または症状がちょっと心配になってお電話かけてくる方々、連日たくさんのお問い合せをいただいております」

 相談は1日に約240件。
 担当者「あなたは発生届の届け出対象です。届け出対象ではありませんという欄があると思うんですけれども、こちら、どちらに丸をされていますかね。どちらも丸がついていない」
 体調の悪化といった病状に関するものや、療養期間の問い合わせなど多岐にわたります。

 中には、予想外の電話も。
 患者「Hello? Can you speak English?
 What‘s a problem?」
 日本語に不慣れな外国人からの電話に、急きょ英語を話せるスタッフが対応します。
 担当者「どうしよう。初めてです、英語は。大体皆さん、日本語できるんで外国の方」

病状の相談は看護師が対応

 体調の悪化など病状の相談は、看護師が常住する別の窓口へ引き継がれます。
 看護師「今現在、最高38℃台のお熱が出ていて、カロナールを飲むととどのくらいまで解熱されますか。例えば37℃、37.5℃位までですね、分かりました」
 病状が悪化し、救急車を呼んだ方が良いか相談を寄せた患者が外来を受診することになりました。

 看護師「もしもし、仙台市フォローアップセンターの看護師です。先ほどお電話した通り、本日の外来受診が決定しましたので、そのご案内でお電話差し上げました」
 仙台市では、ひっ迫する救急車の出動状況を少しでも和らげるため、診察が必要でも緊急性が低く通常の搬送で大丈夫だと判断した患者には、市の車が病院までの送迎を担います。
 看護師「点滴をした後に帰っていいよという場合もあるけど、入院することもある。ですから2日分くらいの入院の準備っていうのをしていただきたいんですね」

 病状によっては看護師の判断でオンライン診療を受診。オンライン診療は全数把握の見直しに伴い、仙台市が新たに導入しました。
 担当者「吸い込んだ時に右の肺が痛くて、それが不安だというのが一番大きいみたいです」

 オンライン診療で出された薬の配送を担うのが。
 薬剤師「こちらのお薬、配達お願いしてよろしいですか?」
 ピザ配達員「はい」
 薬剤師「こちらお薬なので、そのまま開封しないでお渡しください」
 ピザ配達員「それではお預かりいたします」
 デリバリーピザの配達員です。
 仙台市発祥の宅配ピザ店ストロベリーコーンズが、市の要請を受け処方箋薬を預かり療養者の自宅へ届けます。

 夜も問い合わせの電話は次々にかかってきます。
 看護師「自分1人で対応しきれない不安とか、熱が40℃以上に上がったりして、それに対する症状への不安とか、あとはお子さんに対するご両親からのご連絡が多い」

深刻な病状の相談も

 夜になって体調が悪化するケースは少なくなく、中には深刻な状況も含まれていると言います。
 担当者「発症された日なんですけれども、一番初めに風邪のような症状が。のどの痛みというかイガイガ感ですね」「この患者様がすごく具合が悪いからホテル療養というよりかは、奥様が基礎疾患があってなので、分けたいですというご要望」

 宮城県など4つの県で先行して始まった全数把握の見直しは26日から全国で運用され、見直しに伴い24時間態勢の相談窓口が義務付けられます。
 仙台市保健所白岩靖史参事「何よりも不安の解消という点においては、この仕組みを24時間運用することによって、一定程度、皆さまの不安の解消に貢献はできているのかなと思っています」