赤ちゃんなどが感染すると死亡する恐れもある百日せきが全国的に急拡大していて、宮城県でも感染者が出始めています。専門家に対策を聞きました。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「最初は風邪のようにのどの痛みや軽いせきから始まって、微熱が上がってということになるんですけど、やがてこのせきがかなり厳しくなります。けいれんのように引きつるような形でせきが続いて、生後6カ月未満の赤ちゃんは本当に危ないです。実際に日本でも、死亡例も報告されていますから」

 百日せきは子どもを中心に感染する細菌性の感染症で、激しいせきが1カ月から4カ月ほど続くことが特徴です。

 特に乳児がかかると重症化するリスクが高く、死亡する恐れもあります。

 全国の患者数は、2025年に入ってから3月末までで4771人と、2024年1年間を上回るスピードで急拡大しています。

 宮城県では4月に初めて確認され、13日までに17人が感染しています。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「百日せきの場合はインフルエンザの5倍から6倍ぐらい感染力が強いと言われていますから、いわゆる飛沫感染、せきを浴びることでどんどん広がっていきますので、せき対策が重要にはなるんです。ただそれを乳児にできるかというとなかなかできない」

 「生後2カ月からワクチン接種が可能になります。ですので1回で終わりでなくて4回で全部打たなくてはいけないものですから、早めのスタートを心掛けていただけたらなと思います」

 注意点です。

1.百日せきは家庭内で感染することが多い。大人から子どもに移さないことが大事。マスクの着用や、せきが出始めたら早めにクリニックを受診。

2.兄弟や姉妹の追加接種も。ワクチンの効果は6、7年で弱くなってくるため、赤ちゃんがいる小学生ごろの兄弟姉妹も追加のワクチン接種を。

3.特にワクチン接種が重要。抗菌薬が効きにくい耐性菌も確認されている。ワクチンは効くため、より重要になる。

 感染のピークは見えないということで、今後も注意が必要です。