ロシアによるウクライナ侵攻から2月24日で1年です。ウクライナから宮城県石巻市に避難してきた女性は24日、近くの神社を訪れふるさとの平和を祈りました。
ウクライナ出身のホンチャロヴァ・イリナさん(63)です。
2022年4月、石巻市に住む長男を頼り、ウクライナ北部の都市チェルニーヒウから87歳の母親と避難してきました。
日本に避難してから10カ月。初めての日本での生活で最初の1週間、身を寄せたのが息子夫婦が住む日和山公園の近くでした。
当初は、悲しみを抱えながら公園に咲く桜を窓越しに眺めるだけでした。
ホンチャロヴァ・イリナさん「今(この景色を)見渡すと、長い年月をかけて石巻の人々は自分たちの町をここまで復興させ、東日本大震災の恐ろしい記憶に対して(自分たちの町に)とても愛情を持って接していることが分かります。彼らができるのなら私たちもできるという希望を持っています」
侵攻からちょうど1年、イリナさんは24日に近くの神社を訪れ、ふるさとの平和を祈りました。
鹿島御児神社窪木せつ子権禰宜「これいろいろ願いがかなうお守りです。少しでも願いがかないますように」
ホンチャロヴァ・イリナさん「私の生まれ故郷であるウクライナに、より良い時代が訪れることを心から願っています」
この後イリナさんが訪れたのは、月に2度ボランティアとして自らの戦争体験を語っている震災遺構の門脇小学校です。
東日本大震災で津波火災の被害を受けた門脇小学校の焼けた教室を始めた見た時、ふるさとの惨状と重なったと言います。
ホンチャロヴァ・イリナさん「(元小学校)教師としてこれを見るのはとても辛いものがあります。破壊された学校の近く、破壊された教室の近くに再び自分がいると、とても辛くなります」
ロシアの侵攻から1年。今、イリナさんが伝えたいことは。
ホンチャロヴァ・イリナさん「私たちの国への援助を止めないよう、皆様にお願いしたいです。私や他のウクライナ人を避難させてくれたこの国に感謝したい。(日本がこのまま)平和で、自由な空であること願っています」
現在、ウクライナから日本に避難している人は全国で2302人で、このうち宮城県に避難している人は33人です。