旧優生保護法をめぐり、宮城県の女性2人が国に賠償を求めた裁判の控訴審判決が6月1日に言い渡されます。全国の被害者などのメッセージが書かれた旗が、仙台市青葉区で展示されています。

 縦1.4メートル、横4メートルの巨大な旗には「いのちの重さはよこ一列」「夢や希望を持てる社会に」とのメッセージ。

 青葉区で25日から開かれているビッグフラッグ展、いのちを分けない社会へ。

 この展示会は、6月1日に仙台高裁で判決が言い渡される旧優生保護法の裁判をより多くの人に知ってほしいと、被害者を支援している団体が開催しました。

 旗は、支援団体と仙台市在住の美術家、工藤夏海さんらが共同で制作し、全国の原告や弁護士、支援者から寄せられたメッセージでカラフルに彩られています。

 優生手術被害者とともに歩むみやぎの会及川智共同代表「込められた思いをですね、感じていただいて持ち帰ってこの問題に関心を寄せていただきたいなと思います」

 旗は、5月31日まで青葉区のフォーラスで展示された後、6月1日の入廷行動やデモなどで使われる予定です。

 この裁判では、2019年5月に仙台地裁が20年で損害賠償請求権が消滅する除斥期間を理由に請求を棄却しています。

 しかし、全国各地で手術の被害者が同様の訴訟を提起し、2月に大阪高裁判決が国に対して初めて賠償を命じて以降は、原告側の勝訴が続いています。

 こうしたなか原告の女性たちは東京の日本記者クラブで会見を開き、仙台高裁での勝訴判決に期待を寄せました。

 原告飯塚淳子さん(仮名)「勝訴であってほしいです。裁判所は私たちの声をしっかりと受け止めて、公正な判断をしてほしいです」

 そして、被害者の高齢化が進み亡くなってしまう人も出ているとして、問題の早期解決を訴えました。

 原告飯塚淳子さん(仮名)「私たち被害者はみんな高齢で亡くなってしまう方もでています。国は早く責任を取ってほしい。謝罪と補償をしてください。このまま闇に葬られるようなことがあってはならないです」