ここ数年漁獲量が大きく減っているサンマについてです。漁業情報サービスセンターは、不漁の原因が南からの黒潮が大きく迂回する黒潮大蛇行の可能性があり、秋以降も水揚げ量の回復は厳しい見通しであると分析しています。
秋の味覚サンマは値段が安い庶民の魚のイメージがありますが、ここ数年漁獲量が減ったことで値段が上がり、気軽に手を出しにくい魚になっています。
全国のサンマの水揚げ量は、2008年の34万3225トンをピークに年々減少しています。2015年からは減るペースが加速し、前年は1万7910トンと4年連続で過去最低を記録しています。
水揚げ量の分析を行う漁業情報サービスセンターは、本来ならばまっすぐに流れる黒潮が大きく南に迂回する黒潮大蛇行に伴い、三陸沿岸の海水温の上昇がサンマの不漁につながったのではと分析しています。
漁業情報サービスセンター日原勉技師「秋になりますと、サンマは親潮の冷たい水に乗って南下してきます。冷たい水を好んで南下してきますので、水温が高いとサンマがそこを避けて沖合の方に行ってしまっていると考えております」
従来、サンマは北からの親潮に乗って、秋ごろから水温15度前後の海域に沿って三陸沿岸まで移動していました。
しかし、水揚げ量がピークの8分の1となった2019年ごろから、黒潮大蛇行の影響で蛇行した後の温かい海流が三陸沿岸に北上し、サンマは温まった三陸沿岸の海域を避けるように冷たい水のある沖合を南下しました。
その結果、これまでの漁場ではサンマは採れず不漁につながっている可能性があるということです。
4年連続で過去最低を記録しているサンマの水揚げ量ですが、私たちは以前のような値段でサンマを食べられるようになるのでしょうか。
漁業情報サービスセンター日原勉技師「今も黒潮大蛇行は続いておりまして、更に黒潮の続流が北へ上がる傾向はより高まっています。そうするとやはりサンマはなかなか沿岸に近づけないのではないかと思っておりまして、あまり期待できる状況ではないかなと思っております」