宮城県の日本三景、松島を訪れた観光客はコロナ前の水準に回復しています。5類移行からまもなく2カ月です。国内旅行を楽しむ人だけではなくインバウンドの需要拡大に向けた対策も始まっています。

 外国人従業員「大浴場と別に貸し切りの露天風呂がございまして、お客様明日のお掃除はいかがですか。かしこまりました」

 日本語で接客する韓国出身のイ・ドンヒョクさんです。6月から働くバングラデシュ出身のラハマン・アブダさんとともに松島町の温泉旅館でフロント業務などを担当しています。

 イ・ドンヒョクさん「日本が好きで日本に就職したいという気持ちが昔からあって。観光業界しか得られないやりがいや自分らしく楽しく働くことができる」

 ラハマン・アブダさん「毎日新しいお客さんが来るから、いつもいろいろな経験がありますからそういう所で働きたいと思った」

 松島町によりますと、1月から5月までに松島を訪れた観光客数は99万610人と、コロナ前の同じ時期の94.6%まで回復しました。

 小松館小松篤司専務「元々松島には外国人のお客様がいらしゃったんですけど

コロナでいったんいらっしゃるお客様がゼロになって、ようやく5類移行でまた増え始めてきた。もっとたくさん外国人スタッフが必要だと思って」

 にぎわいが戻ってきた観光地で急がれるのが、インバウンド対策です。県ホテル旅館生活衛生同業組合が6月にまとめた調査では、宮城県112の宿泊施設のうち3分の1近くが人手不足やインバウンド対策として外国人を雇っていると回答しました。

 こちらの旅館では、夏だけではなく秋の行楽シーズンの予約も入り始めていて外国人観光客からの問い合わせも増えています。

 小松館小松篤司専務「4月に入ってから劇的にインバウンドのお客様が回復してきまして、私たち旅館業界にとっては必須のマーケットになると思います。この勢いを私たちも是非取り込みたいと思い海外のスタッフを採用しました。ようやくコロナも一段落してたくさんの方が旅行にいらっしゃると思いますので、特に夏は力を入れて営業していきたいと思っています」