関東では強風の影響で高さ約10メートルの桜が根元から折れる被害が。また、観測史上、初めて東京で3日連続の黄砂が確認されました。

■“史上初”3日連続 東京で黄砂

 19日朝の東京都心は青空に恵まれたものの、ぼんやりと霞む状態に。東京では1967年に統計が始まって以降、初めて3日連続で黄砂が観測されました。

 都心から少し離れた場所でも黄砂は飛来。車に付着した様子が確認できました。少なくとも全国23都府県以上で黄砂が観測されましたが、ピークは過ぎたとみられていて、夜にかけて落ち着く見込みです。

■「春の5K」に注意

 この時期に注意が必要なのが「春の5K」。「花粉」「乾燥」「寒暖差」「強風」「黄砂」です。

 19日の東京は、その“5K”にいずれも当てはまりましたが、なかでも強風が吹き荒れました。

■高さ10メートルの桜 強風でポッキリ

 羽田空港で最大瞬間風速24.2メートルが観測されたほか、都心でも20メートル近い風が吹き、各地で被害が続出。羽田空港に近い場所では高さ10メートルほどの街路樹の桜が根元から折れて歩道をふさいだため、撤去作業が行われました。

 東京メトロ日比谷線南千住駅付近では架線にビニールのひものようなものが絡まり、一部区間で運転を見合わせる事態に。

 鮮魚店でも困った様子です。

黒田水産 黒田昌良さん 「2時間くらいしか経ってないと思うけど、すでに触るとザラついてるもんね。砂が…黄砂だと思うんだけどザラザラ」

 黄砂と強風で商売あがったりだといいます。

黒田水産 黒田昌良さん 「目が痛い…私は目が痛い。これだけ風が吹くと、風がやむまでお客さん来ない」

 ベビーカーで外出中の女性は…。

女性 「飛ばされちゃいそうで、もう大変です。黄砂もすごい感じで喉もイガイガするし、花粉も結構、戻って来ちゃった感じで、つらかったですね。洗濯物も干せなくて、天気がいいのに」

 強風、黄砂、花粉のトリプルパンチを嘆きました。

■30.1℃ 広島・加計で真夏日!

 19日は西日本を中心に気温が上昇。大分県日田市で27.2℃を観測するなど、25℃以上の夏日が続出。アイスクリームを食べる姿が多く見られました。

 そんななか、19日に全国で最も暑い真夏日となったのが西中国山地にある広島県安芸太田町加計。季節外れの暑さ、30.1℃となりました。

 安芸太田町の加計は西中国山地の麓にある街です。

佐藤圭一気象予報士 「きょうは日差しも出て日本付近に暖かい空気、暖気も流れ込んでいたので広い範囲で初夏の陽気になっていました。そのなかでも、なぜ広島の加計が特に高温になったのかといいますと、フェーン現象が影響しているとみられます。きょう、北風が関東でもかなり強く吹いたと思うんですが、この北風が広島付近で、山を越えて高温になって吹き下りるフェーン現象が効きました。それで、この時期としては異例の高温30℃、真夏日になったということになります」

 北風が山を越えて熱風となって吹き下りる「フェーン現象」が発生し、山の麓にある加計が高温になったということです。

佐藤圭一気象予報士 「南風で気温が上がるというよりは北風で気温が上がりやすい地域となります。山の麓というのは風向きによって、たまに局地的な高温になることがある」

 20日は関東甲信でさらに暑くなり、真夏日に迫るところもありそうです。