7月3日に発行される新1万円札の肖像に選ばれた渋沢栄一は、現在の七十七銀行(仙台市)の設立に深く関わっています。

 渋沢栄一は日本で最初の銀行を設立するなど近代日本経済の父と呼ばれ、生涯に渡り約480もの企業の設立や運営に携わりました。

 1878年(明治11年)に設立された第七十七国立銀行、現在の七十七銀行の設立にも深く関わっています。

 上野比呂企アナウンサー「七十七銀行の金融資料館です。会社設立への歩みやこれまでの紙幣や貨幣に加えて、渋沢栄一ゆかりの品も展示されています」

 1876年(明治9年)に第一国立銀行の頭取だった渋沢栄一が、宮城県で銀行の設立を目指していた士族宛てに書いた書簡です。銀行業の本質や経営の基本的な考え方を説いています。

 「新設の銀行事務に対処するに当たっては、はじめから事業の拡張を図らず努めて高望みの念を押さえて、そしてよく事務に習熟することを努めとしなければならない」

 七十七銀行営業統轄部丹羽綾乃さん「当時、当行以外にも国立銀行がたくさん設立されている時期でして、安易な銀行設立に対して忠告を与えるような内容になっています」

 設立に当たって、出資や人材の派遣など様々な支援も行いました。

 1894年(明治27年)には、渋沢栄一からの推薦で全国の国立銀行で唯一、場勘業務と呼ばれる株式売買の清算業務を任されました。現在、地方銀行でこの業務を行っているのは七十七銀行だけです。

 七十七銀行営業統轄部丹羽綾乃さん「新紙幣発行を機会に、当行と渋沢栄一さんの関係について皆さんに知っていただければと思いますし、是非金融資料館にたくさん来館していただけるとうれしいです」

 七十七銀行では、7月22日と23日に新紙幣について理解を深めてもらおうという謎解きイベントを予定しています。