不祥事が次々と明らかになっている海上自衛隊。

去年4月、沖縄・宮古島近くで自衛隊のヘリコプターが墜落しました。救助にあたったのが、海上自衛隊の潜水艦救難艦です。海底に沈んだヘリから乗組員を引き上げたのは、特別な潜水訓練を受けた隊員です。その訓練に支給される手当をめぐり不正が発覚しました。

潜水への手当は、深くなるほど金額が増え、110メートル以下では3500円、最大で1万を超えます(※1時間あたり)。

海上自衛隊関係者によりますと、数年にわたり、複数の部隊の隊員が、実際にはしていない訓練を行ったことにして、手当を受け取っていました。

海上自衛隊・酒井良海上幕僚長 「徹底した調査を実施している段階。事実関係に基づき、適切に対応する」

そして、もう1つが、“特定秘密”の違法な取り扱いです。 CICと呼ばれる戦闘指揮所。モニターに映し出される情報の多くは、安全保障上の特定機密です。

10年前に施行された『特定秘密保護法』。防衛、外交など4分野で秘匿が必要な特定秘密が指定されました。情報を扱うには、犯罪歴がないかなど“適正評価”を受けなければなりません。

ところが、護衛艦『いなづま』の艦長らが、資格の有無を確認しないまま、隊員にCICでの勤務を指示。他国の艦船の航跡情報を扱う任務をしていました。

海上自衛隊・酒井良海上幕僚長 「端末自体が、特定秘密を扱う端末としても指定されているので、端末を見ることに関して、特定秘密が含まれるであろうことは、認識していると思う」

隊員による情報漏洩は確認されなかったとしています。

さらに、海上自衛隊では、川崎重工業の裏金で、潜水艦の乗員が接待を受けていた疑惑が浮上。防衛省で“特別防衛監察”が行われる事態に発展しています。

海上自衛隊・酒井良海上幕僚長 「さまざまな事故、不祥事が、現在、明らかになって、国民の皆さまに大きな心配をかけていることは、疑いのない事実。組織のトップとして、非常に重く責任を痛感している」