海上自衛隊が安全保障に関する「特定秘密」を違法に扱っていた問題で、衆議院の情報監視審査会は、木原防衛大臣に対して情報保全体制の改善を勧告する文書を取りまとめ衆議院議長に提出しました。

衆院情報監視審査会 岩屋会長 「防衛省の組織全体に蔓延(まんえん)した規範意識の著しい欠如と、特定秘密の保全に対する誤った理解といった組織的問題があるほか、自衛隊員の慢性的な人員不足といった構造的問題などがあると判断した」

 「特定秘密」が部隊内で不適切に扱われていたとして防衛省は12日、自衛隊トップの統合幕僚長らを「訓戒」などにしたほか、隊員113人を処分しました。

 この問題を受けて衆議院の審査会が非公開で開かれ、会合の後、自民党の岩屋会長が額賀衆議院議長に防衛省に対する勧告を要請しました。

 勧告の中では「特定秘密」を不適切に管理していた原因について「防衛省・自衛隊全体の組織的問題がある」と指摘し、改善策として「外部の有識者の意見を踏まえ、抜本的に保全教育を見直す」ことなどを求めています。

木原防衛大臣 「再発防止策を具体的に一つひとつ、これから検討をし、そして徹底をし、防衛省、自衛隊一丸となって、その信頼回復にも努めていきたいい」

 情報保全体制の改善を求める勧告は、海上自衛隊の幹部が「特定秘密」が含まれる情報をOBに漏らした問題を受けて去年1月に行われて以来、2回目となります。