宮城県名取市内の中学校で2023年12月、当時中学3年の男子生徒がいじめを受けたとして自殺を図った問題で、生徒の保護者が名取市教育委員会が設置した第三者委員会の調査のやり直しを求めました。
男子生徒の母親は18日、仙台市内で代理人の弁護士ともに記者会見しました。
母親によりますと、男子生徒は発達障害があり、名取市内の特別支援学級がある中学校に通っていました。男子生徒は普通学級でも授業を受けさせられ、複数の同級生から「うざい」「くさい」「死ね」と言われたりするなどのいじめを受けたということです。男子生徒が担任に相談しても「いじめはない」と否定され、状況は変わりませんでした。
男子生徒は中学3年だった2023年12月、校舎の3階から飛び降り、左腕骨折などの重傷を負いました。飛び降りる前に、自分の教室の机に置いたという遺書には、「もう何もかも嫌になった、つらい、生きたくない」「死にたいという毎日をずっと繰り返していました」などと記されていました。
名取市教育委員会は「いじめ重大事態」として2024年1月に第三者委員会を立ち上げ、調査を続けていますが、母親は男子生徒や自分に現在まで直接の聴き取りがないほか、第三者委員会のメンバーに退職校長が入っている点などに不信感を抱き、委員の交代と調査のやり直しを求める申し入れ書を名取市教委に送ったということです。
母親は「特別学級という学級に対してきちんとした指導をしてほしい。そうしたらこんなことはなかった。きちんとした状況を、みんなが把握していたのか知りたいとは思います」と述べました。
一方、名取市教委はkhbの取材に対し「いじめが疑われる重大事態として調査中。第三者委員会は学校側に有利な人選をしていない」と説明しています。第三者委員会は今年度中をめどに報告書をまとめる予定です。