トランプ前大統領の銃撃事件。トーマス・クルックス容疑者(20)は現場で射殺されたため、事件の全容は、いまだ多くがベールに包まれています。   そんななか、犯行前の容疑者について、新たな情報が出てきました。

集会参加者が撮影していた映像。百数十メートル離れた建物に向かうクルックス容疑者の姿が映っています。このとき、すでに警備担当者の中では、クルックス容疑者が不審人物として情報共有されていました。

CNN 「クルックス容疑者は、犯行の約3時間前に集会会場に到着していた。ハンターが射撃時に使う距離計を持ったまま、金属探知機を通過したため、警備関係者らは不審に思っていた」

しかし、写真も共有されていながら、警備担当者はその姿を見失います。狙撃部隊や地元警察は、屋根の上に不審者がいるのを把握しておきながら、発砲を止められませんでした。

いまだ動機はわかっていませんが、銃撃の数日前、クルックス容疑者は、ゲームのサイトで犯行予告のようなことを語っていました。

クルックス容疑者のゲームサイトでの発言 「7月13日に“初演”を行う予定だ」

押収されたパソコンには「民主党大会はいつ」「7月13日 トランプ集会」などを調べた形跡があり、スマートフォンでは、イギリス王室のメンバーや閣僚の画像検索が行われていたそうです。

トランプ氏が狙われたのは、たまたまだったのかもしれませんが、共和党は事件を機に、より結束を強めることとなりました。

共和党副大統領候補・バンス上院議員 「共和党の皆さん、私たちはこの国を愛していて、勝利のために結束しましょう。肌の色に関係なく、国民を第一に考え、アメリカを再び偉大にする」

共和党大会では、現地18日にトランプ氏による指名受諾演説が行われます。

一方のバイデン大統領。17日、ラスベガスで選挙活動を行っていましたが、この直後、体調不良を訴え、新型コロナの陽性であることが判明しました。

党内での撤退論は、再び、強まりました。

CNN・リー記者 「ペロシ元下院議長は、最近、改めて、バイデン大統領と電話で会談し、世論調査の結果を見ると、トランプ氏に勝てず、このままでは大統領が下院奪還のチャンスを潰しかねないと伝えました」

民主党の上級顧問は、このような話を明らかにしたそうです。

CNN・ゼレニー記者 「バイデン大統領は、ハリス副大統領では勝ち目が薄いと考えていましたが、今は『彼女なら勝てそうか』と周囲に聞いているそうです。着地点は未定ながら、大統領は意見に耳を傾けているようです」