24日午前10時ごろ、東海汽船の高速旅客船『セブンアイランド愛』の船長から「油漏れで舵が故障している。自力航行が不可能のため救助してください」という通報が第三管区海上保安本部に入りました。

船は、東京・竹芝ターミナルから伊豆諸島の式根島に向かっていましたが、千葉県野島崎の南西沖で自力航行ができなくなりました。船には乗客116人、乗組員5人が乗っています。

海上保安庁の巡視船がロープをつなぎえい航。午後5時には伊豆大島の岡田港に着く予定でした。ところが、引っ張っていたロープが切れるアクシデントが発生。10時間以上が経過していますが、岡田港に到着できずにいます。

なぜ、ロープが切れたのでしょうか。 専門家は、2つの可能性をあげます。1つが自力航行できなくなった海域です。

水難学会・斎藤秀俊さん 「野島崎の南側は黒潮が流れて、西から東に向かう形。(進行方向が)黒潮と逆行するので、海流の影響を受ける場所だった」

2つ目が、ジェット船特有の構造です。

水難学会・斎藤秀俊さん 「ジェットフォイル高速船は、船底に“翼”が付いていて、高速運航になると、船底が翼の影響で浮き上がってくる。ところが低速運航だと翼の部分が海水に対し“抵抗”になるから、その分だけ前に進むのが重くなる」

午後6時半ごろには、海上保安庁のヘリコプターから水や食料が届けられました。

船内では、ほとんどの乗客が船酔いを訴えているということです。