旧優生保護法のもと、不妊手術を強制されたとして東京都内に住む77歳の女性が国に損賠賠償を求めている裁判で31日、和解が成立しました。最高裁判決後、初の和解です。

 生後すぐに脳性麻痺が判明した西スミ子さんは13歳のころ、旧優生保護法に基づいて子宮などを摘出する手術を強制されたとして、国に損害賠償を求めて裁判を起こしていました。

 弁護団によりますと、7月31日、国が慰謝料や弁護士費用など合わせて1600万円余りを支払うことで和解が成立したということです。

 和解成立後に行われたオンライン報告会で西さんは「皆様のおかげです。一生懸命また生きていこうと思っています」と話しました。

 旧優生保護法を巡っては7月3日に最高裁が国に賠償を命じる判決を言い渡していて、最高裁の判決後、和解が成立したのは初めてです。

 これまでに政府は賠償を求める権利がなくなる「除斥期間」適用の主張を撤回し、和解による速やかな解決を目指す方針を示していました。