低金利の円を借りて、高金利のドルなどで運用する円キャリートレードは、これまで「円安を加速させる要因の一つ」と言われてきました。

 その円キャリートレードを分析するうえで、参考とされる円通貨先物の売り越し幅を見ると、この数週間で大きく減っていることが分かりました。

 為替相場が1ドル=160円台から140円台まで円高に動く過程で、円キャリートレードの解消が急激に進んだとみられます。

 背景にあるのは、日銀の追加利上げへの警戒感です。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏 「内田副総裁が『金融市場が不安定な時に利上げすることはない』と発言したが、裏を返せば『金融市場が落ち着いてきたら、また利上げする』とも受け取れるので。ヘッジファンドは今までのように、簡単には円キャリー取引を膨らませにくくなった。為替相場も150円台後半とか160円台まで、すぐに戻るというのは心配はいらないと思います」

(「グッド!モーニング」2024年8月12日放送分より)