東北地方を横断した台風5号の影響で、岩手県では記録的な大雨になり、道路が冠水したり陥没したりする被害が出ました。さらに、日本の南の海上で台風7号が発生し、今週の後半にも関東地方を直撃する恐れがあります。

■龍泉洞が冠水 再開に約3週間かかる見込み

 3連休の最終日を直撃した台風5号。

 日本三大鍾乳洞の一つ、岩手県岩泉町にある「龍泉洞」。透明度の高い地底湖の美しさで知られ、国の天然記念物にもなっています。

 洞窟内は10℃前後と涼しく、夏場は避暑地として多くの人が訪れる観光スポットです。

 しかし、12日は台風5号の影響で大量の雨水が地底湖につながる地下水脈に流れ込んだため、水かさが増し、洞窟から水があふれてしまったのです。

大阪から来た観光客 「夏なんで涼しいところ求めてきたんですけど、まさか台風が急だったので予定を変えられなくて、仕方なく様子だけを見に来た感じ」

 龍泉洞事務所によると、洞窟内の電気設備などに影響が出ているため、再開には3週間程度かかる可能性があるといいます。

龍泉洞事務所 菊地隆二所長 「夏休みに行こうねとか計画していた人たちが来られなくなったのかなと思うと、申し訳ない感じです」

■氾濫危険水位超過も…8年前の台風で甚大被害

 龍泉洞のすぐ近くを流れる清水川では、濁流の勢いで護岸のコンクリートがはがれ落ちています。

 川の増水で道路にまで水が流れ込み、境が分かりません。

 濁流の先では、道路が陥没。ガードレールは折れ曲がり、道路はアスファルトの下の地面ごとえぐられているのが分かります。

 岩泉町の小本川は12日、氾濫危険水位を超えました。

 2016年8月、台風10号の影響で小本川が氾濫。この時、甚大な被害が出たため、河川の改修工事が行われている最中でした。

■久慈市に一時「緊急安全確保」を発令

 12日午前、ダムの緊急放流を告げるアナウンスが流れた岩手県久慈市。そのおよそ30分後、長内川の上流にある「滝ダム」の水位が上昇したため、午前10時23分、緊急放流が開始されました。

 その影響で河川の氾濫の恐れがあるとして、久慈市は一時、流域の住民を対象に避難情報で最も危険度の高い「緊急安全確保」を出しました。

 緊急安全確保が出された地域で撮影された映像です。ダムの放流が原因かどうかは分かりませんが、広い範囲で道路に水があふれていました。

撮影者 「こっちに帰ってきた、帰省してきて、びっくりはします。水路からあふれてきて冠水した」

 宮古市では、住宅街が冠水しました。道路の水は人のすねの位置まで達しています。

 取材中、ポンプ車が到着し、歩道にたまった水を川に排水していきます。

 冠水で通行止めとなった道にやってきた1台の車。仕事帰りで自宅に帰る途中だという男性。家が冠水した道路の先にあるため、迂回(うかい)せざるをえません。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年8月13日放送分より)