かつて「サル痘」と呼ばれていた感染症「エムポックス」がアフリカ中部で急拡大していて、WHO(世界保健機関)が「緊急事態」を宣言しました。

 WHOのテドロス事務局長は14日、感染症「エムポックス」がアフリカ中部のコンゴ民主共和国で急拡大し、近隣諸国にも広がっていることを受けて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

 「エムポックス」は今年に入ってコンゴ民主共和国を中心にアフリカで1万7000人以上の感染が確認されていて、517人が死亡しています。

 厚生労働省などによりますと、「エムポックス」は2022年に主に男性同士の性行為を通じて欧米などで感染が急拡大しました。

 WHOが2022年7月に緊急事態を宣言しましたが、その後、感染者数が落ち着き、去年5月に宣言を解除していました。

 日本では2022年7月に国内最初の感染者が報告され、今月9日時点で延べ248人の感染が確認されています。

 今回のアフリカでの流行では2年前よりも感染力の強い変異株が確認されているということです。

 国内では薬事承認された治療薬はありませんが、天然痘ワクチンで約85%の発症予防効果があるとされています。