電気やガスを使わなくてもおいしく食べることができる「災害メシ」が今、驚きの進化を遂げています。

 台風の影響でスカスカになったスーパーの棚。もし電気もガスも使えなくなったら、災害メシは何を食べるでしょうか。

 需要が伸びているのが温めずに食べられるカレー。植物油脂を使っているため固まりづらく、常温でもおいしく、火がなくても食べられます。

 災害用に保存し、賞味期限が近付いたら弁当にも使うのもおすすめだといいます。

 そして、自然解凍で食べられる冷凍食品も災害時に活躍。

味の素冷凍食品 勝村敬太さん 「冷凍庫の中に冷凍食品がたくさん入っていれば2、3時間は、そのまま品質は保たれます」

 例えば、「エビ寄せフライ」は解凍までに約2時間半。

味の素冷凍食品 勝村敬太さん 「自然解凍の冷凍食品は、自然解凍している間も傷みにくい作り方」

 味の素冷凍食品によりますと、他の食品と一緒に入れておけば保冷剤の替わりにもなり、冷凍食品2個で30グラムの保冷剤と同様の効果があるそうです。

 ただ、調理が必要な冷凍食品は停電になった場合、もう食べられないのでしょうか。

味の素冷凍食品 勝村敬太さん 「停電になっても24時間は冷凍庫に保存しておけば少し溶けているかもしれませんが、衛生的にも安心して食べていただける」

 冷凍餃子は24時間以内に焼けば食べられるとのこと。カセットコンロとフライパンがあれば水も油もいりません。

 そして、約7カ月常温保存ができる豆腐。作っているのは森永乳業。乳業メーカーの技術を生かして長期保存を可能にしたといいます。

森永乳業 ミルク事業マーケティング部 馬淵景士さん 「光や酸素を遮断して、品質の劣化を防いで保存性を高めている」

 災害時には、こんな使い方も…。

森永乳業 ミルク事業マーケティング部 馬淵景士さん 「切って開くと、まな板やお皿の代わりに使える」

 味は通常のものと変わらないのでしょうか。

森永乳業 ミルク事業マーケティング部 馬淵景士さん 「スーパーでお買い求めいただくような豆腐と同じ味。そのまま冷ややっことしても食べていただけますし、ココアパウダーをまぶしていただいて、ヘルシーなんですけども栄養価が高い」

 農林水産省は最低3日分の備蓄を呼び掛けていますが、28日に発表された調査によりますと、「保存食を十分に用意している人」は5%に満たず、「ほとんど備えていない、全く備えていない」を合わせると4割近くになります。

 電力会社も保存食を販売していますが、お得な体験セットは南海トラフ地震臨時情報の発表や台風の接近を受け、キャンペーン開始後2カ月で売り切れたといいます。

 また、警視庁の災害対策課は、こんなものを勧めています。

警視庁警備部災害対策課のX(旧ツイッター)から 「備蓄食料品の中にラムネを入れています。コンパクトでプラスチック製なので携帯に便利」

 メーカーも「ラムネはブドウ糖が多く含まれていて、日頃食べ慣れているラムネを備蓄してほしい」とコメントしています。