今週、出馬表明が相次ぐ自民党総裁選。10日後に告示を迎えるなか、今、誰が優勢なのでしょうか。

■「政治とカネ」進次郎氏 どう対応?

 いよいよこの人が本格的に動き始めました。子育て世代の現状を聞きに来た小泉進次郎元環境大臣(43)です。台風10号の影響を考慮して、総裁選挙への出馬表明会見を1週間延期した進次郎氏ですが…。

自民党 小泉元環境大臣 「何歳?6歳?きょうの子どもたちの中で最年長かな?」 「ボク今回、総裁選最年少」

 すでに総裁選モード全開。自身も0歳児と4歳児の父親です。

小泉元環境大臣 「改めて今週金曜日に(出馬)会見ありますけれども、頑張ろうと元気をいただいたところです」 「(Q.思い通りに準備は進んでいる?)自分にとっては初めての総裁選になりますから、これは毎日…とにかく必死です」

 2日はこれまでに3回、いわゆるぶら下がり取材に応じた進次郎氏。総裁選では「憲法改正」を訴えるとともに「政治とカネ」にけじめをつけるとも話しています。

小泉元環境大臣 「政治とカネの問題にいまだにけじめがつかないことを変えたい」

■麻生派“裏金”報道 揺れる自民

 そんななか、麻生派に所属していた薗浦健太郎元衆議院議員の元秘書が2017年に派閥のパーティー収入の一部を裏金をためる口座に入れたと証言していたと毎日新聞が報道。麻生派でも裏金が存在した可能性が指摘されるなか、先週、正式に出馬を表明した麻生派に所属する河野デジタル大臣(61)は…。

自民党 河野デジタル大臣 「まだ状況が分かりませんのでコメントは差し控えたいと思います。これまでクリーンにやってきたというのが私の認識でございます」

 自民党では裏金事件後も政治とカネを巡る不祥事が相次いでいて、総裁選の争点の一つとなりそうです。

河野デジタル大臣 「『裏金裏金』といつまでもそしられるよりは、それを返還して前へ進むというのが大事ではないかと思います」

 次の衆議院選挙で“裏金議員”を公認するのか。総裁選に出馬する石破元幹事長は…。

自民党 石破元幹事長 「公認権を持っているのは総裁だからね。この人はきちんと説明責任を果たしましたよということを総裁として納得することは必要です」

 進次郎氏を支持する、ある中堅議員は…。

自民党中堅議員(進次郎氏支持) 「検察の捜査も党としての調査も終わり、処分も終わっているのは事実だ。世間の納得感とのギャップがあることは否めないにしても、安倍派からすると『何で今度は身銭を切らないといけないんだ』という話になる」

 進次郎氏は裏金問題にどう対応するのでしょうか。

政治部 大石真依子記者 「裏金問題への対応について小泉さんの周辺は『厳しくやらないと世論の理解は得られない』と話していますが、踏み込みすぎると党内で90人近くを占める安倍派を敵に回すことにもなりかねません。仮に『選挙の非公認』などを打ち出してしまうと、議員票の獲得が一気に難しくなりますし、小泉さんもベテラン議員に助言を求めるなど、対応に苦慮している状況です。小泉陣営のある議員は、党でまとめた再発防止策に基づいて党改革を進めるといった穏当な対応にとどめるべきだとの考えを示しています」

 進次郎氏は6日の出馬表明会見で裏金問題への考えを示す予定です。

■総裁選出馬ウィーク 誰が優勢?

 事実上、次の総理大臣を決める総裁選挙。今週から来週にかけて出馬会見ラッシュとなります。

政治部 大石真依子記者 「林さんがあす、茂木さんが4日、小泉さんが6日に記者会見を開く予定です。各陣営は他の陣営の動きに探りを入れて、会見が重ならないように調整しています。今回は候補者が多く、設備のそろったいい会議室の予約がなかなか取れないとの声も聞こえてきます。女性候補ですが、高市さんは推薦人の確保にめどがつき、9日に会見をセットしています。一方の上川さんですが、周辺は『まさに体当たりでやっているが、まだめどは立ちそうにない』と話し苦戦中で、前回立候補した野田聖子さんも推薦人集めが難航しています。ここまでたくさんの候補が出ると、誰も1回目の投票では過半数を獲得できず、上位2人による決選投票になるのは間違いなさそうです。大きなスキャンダルなどがない限り『1位は小泉さんになるだろう』といった見方が大勢ななかで、他の陣営はいかに2位に入るか競い合うことになりそうです」