自民党の派閥の政治資金を巡る事件で、二階派の元会計責任者に対して、東京地裁は禁錮2年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

 自民党の二階派「志帥会」の元会計責任者・永井等被告(70)は、政治資金パーティーの収入およそ2億6000万円について、収支報告書に嘘の記載をしたなどの罪に問われています。

 東京地裁は10日、「国民を顧みることなく、政治団体の都合やその利害のみを考えて犯行を繰り返した」「政治資金パーティーの会費収入や使途といった重要な金銭の流れは国民の目が届かないものになってしまった」などと指摘しました。

 そのうえで、永井被告に対し、禁錮2年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

 一連の事件を巡る正式な裁判で、判決が出るのは初めてです。

 これまでの裁判で永井被告は、起訴内容を認めたうえで、派閥幹部らの関与について、「総額を口頭で報告しているだけだった」と主張していました。

 嘘の記載をした理由については、「与野党が逆転したり、与党内の覇権争いでいつ何が起こるか分からないので、派閥に金は残しておくべきと考えていた」などと説明していました。