IAEA(国際原子力機関)の専門家チームが環境省が進めてきた「除去土壌」の再生利用に関する取り組みについて、IAEAの安全基準に合致するとの見解を示す最終報告書を提出しました。

 東京電力福島第一原発の事故の除染作業で出た土は除去土壌などと呼ばれ、政府は放射性物質の濃度が基準値を下回るものは公共工事などで再利用する方針です。

 そのため、環境省は2018年から福島県飯館村で除去土壌の再生利用の安全性を確かめる実証事業を行ってきました。

 また、2022年にはこうした取り組みについて、技術的・社会的な観点から国際的な評価や助言を要請し、去年3回にわたってIAEAの専門家会合が行われました。

 IAEAの専門家チームは今月10日に伊藤環境大臣と面会し、これまでの環境省による除去土壌の再生利用に関する取り組みはIAEAの安全基準に合致するとの見解を示す最終報告書を手渡しました。

 伊藤大臣は「報告書も踏まえて除去土壌の再生利用と最終処分に向けた取り組みを着実に進めたい」と述べました。