旧優生保護法の下で不妊手術を強制されたとして国に損害賠償を求めた裁判で、全国で初めて提訴した宮城県の女性の和解が成立しました。

 高橋直希記者「午後1時半です。原告の2人が仙台高裁に入ります」

 宮城県に住むに住む飯塚淳子さん(仮名・70代)と佐藤由美さん(仮名・60代)が、旧優生保護法の下で障害を理由に不妊手術を強制されたとして国に計7150万円の損害賠償を求めました。

 7月の最高裁の判決で国の賠償責任が全面的に認められましたが、2人の裁判は賠償額の算定のために仙台高裁に差し戻されました。

 24日に仙台高裁で和解協議が行われ、佐藤さんと国の和解が成立しました。飯塚さんについては、飯塚さんが「冷静に考えたい」として和解が見送られました。

 新里宏二弁護士「何十年も闘ってきた中でまだ釈然としない部分もあるので、急いで決める話ではないので、本人が心の中でもこれで解決していいよねと思った時に解決すればいいのかなと」

 代理人弁護士によりますと、佐藤さんと国は基本合意の1500万円に遅延損害金を加算した額を国が和解金として支払うことで合意したということです。

 佐藤さんの義姉「裁判が始まったことによって社会が変わっていくことが目や肌で感じることもあり、社会が良くなればいいと提訴したので、これで収まることなくずっと幸せな人権侵害にならない社会であってほしいと思います」

 佐藤さんが和解したことで、宮城県では原告5人のうち4人の和解が成立したことになります。