岡山県吉備中央町が行った住民の血液検査の結果、PFAS(有機フッ素化合物)がアメリカの学術機関が示す指標を大幅に超えて検出されたとされる問題について、浅尾環境大臣は「血液検査の結果のみで健康影響を把握することは困難」との見解を示しました。

 吉備中央町では2023年、浄水場の水から国の暫定目標値を大幅に超えるPFASが検出されました。

 町は住民らの要望を受けて2024年、709人を対象に血液検査を行い、その結果を今月28日に公表しました。

 町によりますと、血液1ミリリットルの中に含まれていた7種類のPFASの合計の量は平均で151.5ナノグラムでした。

 この値はアメリカの学術機関が健康リスクの高まる指標として示した合計20ナノグラムを大幅に超えていると指摘されています。

 一方、浅尾環境大臣は、アメリカの学術機関が示した指標は主に集団としての状況を把握するためのものであり、「この値を超えた場合に個人の健康影響を起こすものではない」と認識を示しました。

 また、「現時点の知見ではどの程度の血中濃度でどの程度の健康被害が個人に生じるかは明らかとなっておらず、血液検査の結果のみをもって健康影響を把握することは困難とされている」と述べました。

 そのうえで、環境省としては血中濃度と健康被害の関係性を明らかにすることが重要だとして、「国内外の知見の収集や科学的に評価可能な疫学調査を推進したい」としています。