テレビ朝日では「未来をここから」プロジェクトの一環でSDGs企画をお伝えします。26日のテーマは「すべての人に健康と福祉を」です。高齢者の孤独を防ぐために「こども食堂」ならぬ「高齢者食堂」が全国で広がり始めています。
おいしそうなおかずがずらりと並べられているのは、東京・新宿区にあるバーです。しかし、営業しているのは夜ではなくランチタイム。集まっているのはほとんどが65歳以上です。
参加者(70) 「ずっとひとりでいると孤独になってしまうし、色んなことが発見できて楽しい」
実はここ、高齢者らが食事を通して交流する場、子ども食堂ならぬ高齢者食堂なんです。きっかけは地域でゴミ拾いのボランティアをしていた小谷みどりさん(56)の発見でした。
小谷みどりさん 「一人暮らしの高齢者、すごく多いなと思ったんですよ。昼間ひとりで食べている人が多い」
厚生労働省の統計によると、65歳以上がいる世帯は全世帯のおよそ半分。そのうちの3割ほどが単身世帯となっています。
こうした高齢者の孤立を防ぐために食堂を始めました。さらに、もう1つのテーマもあります。
小谷みどりさん 「お墓とか葬式とか、自分がどういう死を迎えたいかっていうのは人それぞれ。そういうのを話をしたりする場がそもそもないなって」
小谷さん自身、夫と死別した経験があり、どう人生を締めくくるかを考える終活について講演もしています。そのため、小谷さんへの相談目的で参加する人もいます。
小谷みどりさん 「都会の人って地域の人に(プライベートを)知られたくないっていう方は多いと思う。どこに住んでいるかとかも知らないから話せる。人って何でつながれるかっていうことだと思うんですよ。配偶者と死に別れた人がスタッフで多いんですけど、(参加者も)同じ体験をした人同士だから話を聞けるし話をしたい。誰かに話すっていうことはすごく大事」
「高齢者食堂」の献立は参加者が考えているそうです。発起人の小谷さんは、元気なうちに集まることで、困った時に助け合える場になってほしいとも話していました。