ホンダと中国企業の合弁会社「広汽ホンダ」はEV(電気自動車)専用の製造工場を報道陣に初公開しました。若い中国人技術者を開発者に抜擢(ばってき)するなどし、EV化が進む中国市場で巻き返しを図る狙いです。

 日系自動車メーカーの工場が多くあり、日本車の人気の高い広州市。

 しかし、ここ数年は中国政府のEV化推進を背景とした中国メーカーの躍進などにより苦戦が続いています。

 そんななか、広汽ホンダは去年12月に稼働を始めたEV専用の製造工場を報道陣に初公開しました。

 この工場では溶接工程でAI(人工知能)を活用するなど107ある製造工程のうち28工程を自動化し、従来の工場と比べて約3割ほど人員を削減しました。

 効率化を図り、量産体制を整備することでBYDをはじめとする中国企業に対抗する構えです。

 一方、この工場で生産される「イエ」シリーズは、ホンダとして初めて若い中国人技術者が設計段階から開発に携わり、ホンダらしい「走り」は残しつつ中国市場のニーズにも対応したということです。

 ホンダは2027年までに中国市場にEVを10車種投入する予定で、五十嵐雅行中国本部長は「電動化を推し進めるための重要な拠点になる」と中国市場での巻き返しを狙います。