アメリカのトランプ大統領が発表したのは日本を含むすべての国と地域を対象にした「相互関税」です。日本の閣僚からは「理解不能」との声が上がっています。

■「相互関税」に「理解不能」閣僚苦言

アメリカ トランプ大統領 「アメリカ国民の皆さん、きょうは『解放の日』です。数十年もの間、我が国は敵味方を問わず近くて遠い国から略奪され、強奪され、蹂躙(じゅうりん)され、搾取され続けてきました。きょうはアメリカの歴史上、最も重要な日の1つだと思います。まさに『経済的な独立宣言』です」

 アメリカの貿易赤字削減に向け、トランプ大統領が大規模な相互関税を発表しました。

 去年、アメリカの貿易赤字は過去最高の185兆円。この状況についてトランプ大統領は「対米貿易黒字国がアメリカの富や財産や雇用を奪っている」と主張。

 185の国と地域を対象に、アメリカへの輸入品に一律で10%の関税を課す宣言をしました。

 特に貿易赤字額が大きい国や地域はパネルにリストアップされ、さらに税率を上乗せ。日本もそのターゲットとなりました。

トランプ大統領 「ジャパン。とても厳しい状況です。いい人たちですけどね。決して日本人を責めているわけではありません。日本は46%の関税を我々に課している。46%なので、我々は24%の関税を課すことにする」

 トランプ大統領、日本がアメリカ製品に対し課している関税の平均税率を46%とみなし、そのおよそ半分にあたる24%の関税を課すと説明。

 本来、相互関税は貿易相手国と同じ水準の関税を課すことを指しますが、今回、アメリカが課す関税は貿易相手国の半分程度の水準に抑えていると言います。

トランプ大統領 「『親切な相互関税』です。完全な相互関税ではなく『親切な相互関税』です」

 トランプ・ショックは東京市場を直撃。

 一時1600円を超す下げとなった日経平均。終値は2日より989円安い3万4735円。

 農水省のある幹部は、こんな本音をもらしています。

農水省幹部 「こんなに関税が高いんだと思った。トランプ政権との関係は悪くないと思っていたので、そこまで高くならないのではという観測もあった。ブリ、緑茶、日本酒などが特に影響を受けるのではと考えている」

江藤農水大臣 「極めて遺憾であります」

 強い口調の江藤農水大臣、トランプ大統領のこの発言について理解不能とバッサリ。

トランプ大統領 「日本は友人だがコメに700%の関税をかけている。アメリカにコメを売らせたくないからだ」

江藤農水大臣 「700%というのは全く論理的に私も計算してもそういう数字は出てきませんので、これについてはなかなか理解不能だと」

自民党 小野寺政調会長 「(Q.24%という数字、率直にどう受け止めた?)驚きました…個人的に言えば厳しいなぁと」

国民民主党 玉木代表 「私自身、想定していたなかで最悪のシナリオだと。石破総理は速やかにアメリカに行くべきです。これはもうトップでしか解決できませんから」

石破総理大臣 「極めて残念であり、不本意に思っております。私自身がトランプ大統領に直接話し掛けていくことが適当であれば、最も適当な時期に最も適切な方法で働き掛けて参るということを全く躊躇(ちゅうちょ)するものではございません」

 各国に課せられた関税はアフリカのレソトなどへの50%が最も高く、中国に34%、インドに26%、韓国に25%、EU=ヨーロッパ連合に20%、大地震に見舞われたミャンマーにも高い税率を課しています。

■日本への影響&対策は?

野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏 「けさ打ち出された関税は事前の予想をさらに上回る規模だったので、24%というのは全く予想外ですね」

 そう話す野村総研の木内さんは、今回のトランプ・ショックが景気後退の引き金になる可能性があると話します。

木内登英氏 「今回の『相互関税』と自動車関税で、日本のGDPは0.71%下がるという計算でして、かなりのマイナスの影響が出ると思います。数カ月から半年くらい経つと一般の消費者の身の回りでもちょっと不況感が感じられるとなるんじゃないか」

 去年1年間の日本のGDP成長率は0.1%。年平均の成長率はおよそ0.5%。トランプ関税の影響はそれを上回る規模だといいます。

木内登英氏 「他の国が報復関税をどんどん打ち出すことになると、まさに貿易戦争になってくるので、そうなるともう一段、日本経済とか株式市場の景況感は悪化するんじゃないかなと思います」

 日本経済に暗い影を落とす追加関税は9日に発動されます。

■自動車への追加関税 きょう発動

 一方、3日から早速、追加関税が発動されたのは「自動車」です。

トランプ大統領 「日本では自動車の94%が日本製。トヨタはアメリカで自動車を100万台販売している。アメリカの自動車は海外に進出させてもらえない。外国製のすべての自動車に25%の関税を課す」

 アメリカに輸出する自動車への関税はこれまで2.5%だったのが、3日から追加で25%が課され、11倍の27.5%に引き上げられます。

 日本の自動車産業にどのような影響が出るのでしょうか。

 東大阪市の工場では、自動車のクラッチなどに使われるバネを年間300万個ほど製造しています。

フセハツ工業 吉村篤社長 「『今すぐ減産ですよ』と発注元からまだ聞いてはいないが、これからじわじわ影響が出てきて、何がどう影響するのかさっぱり分からない状況なので、それが一番、経営上は判断が難しい。分からないというのが一番不安」

 売り上げの3割が自動車関連のため、関税が大幅に上がった影響で今後、受注が減るのではないかと戦々恐々としています。

 追加関税への対策は…。

吉村篤社長 「バランス良く、国内の仕事やアメリカ以外の国の仕事もしっかりとやっていく必要があり、営業活動を進めている」