中国の習近平国家主席は14日から東南アジア各国を歴訪し、関税を巡ってアメリカに対抗する構図を作る狙いがあるとみられます。ベトナムから報告です。

 (藤富空記者報告)  習主席は数時間後にベトナム・ハノイに到着し、トー・ラム共産党書記長らと会談します。

 ベトナムのほか、マレーシアとカンボジアも相次ぎ訪問し、各国との連携強化を図りたい考えです。

 訪問に先立ち、習主席がベトナムメディアに寄せた寄稿文では「関税戦争に勝者はいない」と、各国が協力を強める必要性を強調しました。

 ベトナムにも46%と高い相互関税がアメリカから課せられていて、中国はいわば「同じ境遇」にある東南アジアの国々を取り込み、アメリカに対抗する姿勢を示したいものとみられます。

 一方、東南アジア各国はアメリカに対し報復措置は取らず、対話を続けていくとしています。

 東南アジア特有の「バランス外交」を前に、習主席の思惑通りとなるかは不透明です。